サシ飯�� ページ14
d side
阪「そっすか、」
考え込んでるような阪本に
とりあえず笑ってあげることしか出来んかったけど
そもそもなんでそんな焦ってるのか
普段の飄々としてる阪本からは想像も出来んくて
それ見ると余計に、
意地悪な質問したくなってくる
俺ってやっぱ、S寄りなんかなあ
堂「そんなに好きなん？その子の事。いつから？」
好きとか簡単に言えるもんちゃう、
と、阪本がため息混じりに言うから、
むちゃくちゃ余裕ないやん、って
心の中で思わず笑ってしまう
阪「いつからって、具体的なことは言わんすけど
もう、すべてひっくるめて言うなら、
あいつが6歳のときからすね、
尾道から転校してきたんすよ。」
そっからずっと一緒なんです。
そう言う阪本を見つめながら
ここまで真剣な阪本は
年に数えるほども見れんのちゃう？
レアやな〜、そう思いながら見つめる
って。
え？
堂「…何て言った？
尾道って、あの広島の尾道？」
阪「え？そうっすけど」
堂「待って、名前何て言うんやっけ」
阪「下？Aすけど」
阪「…ほんまなんなんすか？」
堂「…いや、たぶん違う、」
思い出せなかった。
いや、正確には
思い出そうとすることを、やめた。
そんなことせんでも
すぐあの頃の景色も、思いも蘇ってくるから。
阪「なんなんそれ、とんでもないの隠してたら許さんすから、」
そう恨み顔で吐き捨てた阪本が
トイレへ向かうのを横目に。
…いやまさかな。
そんな偶然この世にあるわけないか、
あったら、探偵ナイトスクープにでも応募せなおかしいレベルやで、
いや。でもそのまさか……
だんだん早くなる鼓動を、しっかりと感じながら
深呼吸して、鞄の中へ視線を向ける
取り出した財布の、誰にも触らせたことない
チャック付きの場所にしまってある紙切れ。
"ふくい⇔ひろしま"
そう書かれた裏面を、ゆっくりとめくる
"おっきくなったら、ぜったいあえるよ！"
幼い字を、指でなぞり。
忙しさと疲れで
もう当分全然思い出せてなかった
俺の、たった6歳の頃の
おっきい初恋。
……まさかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ののの(プロフ) - おぜちさん» うわぁぁぁあ！！！！最高です💕分かります…🥹 (2023年5月3日 23時) (
レス) id: 6f2b81bad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - のののさん» さすがのののさん！最高ですそれ！そんなん絶対やめてくれよ、と嘆く阪本さんと、エエんちゃう？なんでも、と半ば楽しんでる堂前さんが浮かびます…笑🤣 (2023年5月3日 0時) (レス) @page40 id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
ののの(プロフ) - おぜちさん» 結果。どちらも結ばれて欲しいという欲が勝ちます…！毎回お話が最高すぎます♥️ (2023年5月2日 23時) (レス) @page40 id: 6f2b81bad4 (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - 名無し89008号さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！作者自身揺れに揺れてますが…笑 何卒よろしくです！☺️ (2023年5月2日 11時) (レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
名無し89008号(プロフ) - このお話だいすきです更新楽しみにしています^_^ (2023年5月1日 23時) (レス) id: 4909c7bdac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おぜち | 作成日時：2023年2月27日 20時
