48 ページ5
side:Knt
｢少し落ち着いた？｣
『…うん』
泣きはじめた勝利をなだめること数分、目の周りが少し赤くなってしまったけれど、なんとか落ち着きを取り戻したみたいだ。
勝利の顔をよく見たくて、耳に髪の毛をかけてやると、くすぐったそうに身じろきをした。
『…ん、なに？』
｢あぁ…こりゃ明日腫れちゃうね、真っ赤｣
『誰のせいだと…』
上目遣いで見上げられてキュンとするのを抑えられない。
目元に指を這わせると益々勝利はなんだなんだといったような怪訝な顔をする。
そんな顔でも世界一可愛い。
我慢できずにちゅっ、とリップ音を鳴らしてキスをした。
『っん…、！』
『おいてめっ…』
｢あ、風磨いたのか、｣
完全に存在を忘れていたけど風磨の声によって現実に引き戻された感じだ。
お風呂のせいなのかなんなのか、勝利のほっぺたは朱色に染まっていた。
ぶんっと首を反対に捻られて、顔を逸らされた。
いや、勝利、そっち向いても風磨だよ。
『なに？俺ともしたいの？』
ちがうちがうと否定するけど、もう遅かった。
風磨の方へと腕が少し引かれて、そのまま…
『んんっ…』
｢結局じゃん…｣
ていうかお前のキスは長すぎだから。
俺より得してる、ずるい。
｢もう、おわり！｣
『っちょ、返せ』
｢だめ！風磨いちいち長い、しつこい｣
『はぁ？』
ぐいっと勝利の肩を掴んで自分のもとへと引き寄せた。
勝利のサンドイッチ状態で揉めるこの状況は、どう考えても普通じゃない。
『も、もう…やめてってば』
『チッ…』
勝利の言葉に舌打ちをした風磨と懲りない俺。
首に腕を巻き付けて離れられないようにすると、勝利が振り返ってため息をついた。
かわいい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まれ(プロフ) - はじめまして！すごいおもしろいです！ (2019年8月22日 21時) (
レス) id: aac23469fb (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 夜 空 。さん» 本当ですか！ありがとうございます(；A；) (2019年4月26日 18時) (レス) id: a93225f945 (このIDを非表示/違反報告)
夜 空 。(プロフ) - ゼンゼンカンケイナイ好きです、勿論、この作品愛してます（） (2019年4月14日 9時) (レス) id: 527cd07eaa (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - え、なんかごちゃごちゃになっとる(笑)好き以外ない！にコメントしたつもりった(笑) (2019年4月6日 23時) (レス) id: 86c504067d (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - しろさん» こっちにふまそう出てこんよ笑『すき以外ない！』とごっちゃになってない？笑笑 (2019年4月6日 23時) (レス) id: a93225f945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みお
| 作成日時：2019年3月19日 23時
