おかしくないよ ページ8
「もぉ…っ、なんで、そんな……イケメンなのぉ…っ！」
「へ？」
「ま、まだ会って1日だよっ？そんなやつに、襲われてっ、なのに、」
唇を噛みしめるからその下唇を親指でおすと、また俺を見て顔を歪める。
「……おんなじ、だし、いちおう。」
「おんなじ…？」
「あの2人の間で、なにがどうなってたかはわかんないけど…お互い、あの夫婦に恋人寝取られたわけじゃん、」
「……うん。」
「だから、その……傷の舐め合いってわけじゃないけど、きっと、おかしくないよ。」
「…うん、」
瞳を潤ませる先輩の鼻先にキスを落とす。
わ、付き合ってもないのにちょっとやりすぎかな、キザすぎたかな。
そんな心配とは裏腹に、伊野尾先輩は、俺に抱きついてきた。
「…おれの、昔話…聞いてくれる？」
「…はい。」
「…新婦さんさ……おれの、幼馴染で…小さい頃からなんでも、俺のもの欲しがってたの。
おもちゃとか、クレヨンとか、服もそうだった。ぬいぐるみだって…ぜんぶ、あげた。
だけど、恋人だけはあげられなかった。……だって、好きなんだもん。
…日渡のためならなんだってできたんだもん。
だから…アイツは……俺がどうやってもできないことをして、恋人をとったんだ。」
「…そいつひどいやつだね、とか、同意を求めてるわけじゃないでしょ。」
「うん、聞いて欲しいだけ。
…フラれた時もさ、ひどかったんだよ。
『子どもができた。その子はもうお腹の中で育ってて、だから俺は責任を取るために彼女と結婚しなきゃいけない。だから別れてくれ。』
ってさ……
『落ち着いたら式を挙げる。2、3年後になると思う。』
って、いらないことまで教えてくれて……俺が誕生日にあげたリング、机の上に置いて帰っちゃった。
だからさ、招待状がきたとき、嫌がらせだと思った。…嫌がらせなら、存分に返してやろうって…白のジャケット、着て行ったの。」
きゅう、と俺の体に回された腕に力がこもる。
彼の背中に手を回すと、震えた細い声でもっと、と伊野尾先輩は温もりを求めた。
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ふるは(プロフ) - やまいの。カップル本当に本当に最高です。読ませて頂きましてありがとうございました。荒んだ心がフンワカになりましたー。幸せすぎた。 (2019年2月18日 11時) (
レス) id: df18d22876 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 翠羽さん» ありがとうございます！他の作品の更新も頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします！！ (2016年12月16日 19時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
翠羽(プロフ) - 文章や台詞がすごく綺麗で、どんどん読みたくなって、3回ぐらいは読み直しました、(笑) 酢雨さんの小説が大好きなので、これからも更新楽しみにしています！ (2016年12月16日 19時) (レス) id: 69b0673946 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 桜夜兎。さん» 実は下ネタ言わせるのは好きだけど裏書くのは苦手だったりね()クリスマス頑張るわ！ (2016年12月16日 16時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜夜兎。(プロフ) - 酢雨ちゃんとしては珍しく、下 ネタもおせっせもなくてビックリしてます笑笑 純情すぎて真っ白なオーラを見にまとってそうな伊野尾さんのお話、すっごく楽しかったです。笑 クリスマス企画、頑張ってね！ (2016年12月15日 23時) (レス) id: bb6028a314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酢雨 | 作成日時：2016年11月27日 11時
