サンカク・ブライド(ym×in)

衝撃的すぎて ページ6

「な〜〜んでこいびととるのぉ、しあわせジャマすんなくそやろぉ、」


缶ビール3本で潰れた伊野尾先輩は机に突っ伏して泣き真似をした。
いやアンタ、結婚って幸せを白のジャケットでぶち壊しにしたのどこの誰だよ。


伊野尾先輩のお部屋はごく普通のマンションって感じ。
親に仕送りしてもらってっからこんなとこ住めんだよ〜って言ってたから実家は金持ちなのかな、たぶん。


「っひぐ…らってぇ、付き合ってたの、おれだもん…、」


だからあの女二股かけてその上で部長とヤったんでしょ？最低って割り切れればいいのになぁ。


「…なんでぇ……ひわたり…」


日渡先輩。バスケ部部長の名前。
だから、元カノも無事日渡になったってわけだ。
山田の名字もらってほしいとか思ってたあの頃の俺、バカみたい。


「ひわたり……すき、なのに…なんでぇ、」


……ん？


「え、ちょっと待って先輩、」

「むねないのがだめなのかなぁ、シリコンいれたら……あぅ、おかね…」


むくりと起き上がっておもむろに自分の胸を寄せ始める先輩。
うるうるの唇が半開きで、顔赤くて涙目で、男だとしてもいろいろと目に毒だ……じゃなくて！


「…くそぉ、あんのおさななじみめぇ…！

おれのかれし、ねとりやがって！！」


伊野尾先輩がだん、と机を叩く。
え、まって……そっち…？そっちなの、え、そっちなの…!?


「……やまだ、」

「はっ、はいっ、」


やばいやばい、衝撃的すぎて声裏返ってしまった。


「…そふぁ、ねころんで、」


鋭い目つきですぐそこのソファを指さされて寝転ぶ。え、えー、なんか目つきめっちゃ悪いですやん、怖いわ。


「っぐぇ、」

「んふふ、きもちーこと、しよぉ？」

「へ、」

「わぁ、めっちゃ腹筋あるぅ！」


どすん、と上に乗られてさわさわと撫でられるお腹。くすぐったい、てか、


…これ、俺、伊野尾先輩に誘われてんの？

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