柔らかくキス ページ5
「うわ、すごいひと、」
「これじゃあゲットして叩きつけらんないね〜〜……どーしよ、」
「どーしよっていのちゃん、自分追い詰めるのやめなってば…」
「前行きますか？」
「いや、いいよ。
幸せな2人見てハンカチでも噛んどく？」
ふふ、と笑う伊野尾先輩。さっきまでの悲しげな雰囲気がなりを潜めた。
……無理、してんだろうな、きっと。
と、ぽーん、と飛んできた白い何か。
反射的に手を差し出すと、俺の手の上に元カノが投げたブーケが落っこちた。
「……あ、」
「あ、いのちゃんじゃなくてやまだがとったぁ、」
「そのまま地面に投げ捨てちゃえ、」
だから黒いってば思考が。
じーっとブーケを見て、ブーケに罪はないからとりあえず地面には叩きつけないことにしておく。
新郎新婦を見ると、俺がとったのを見て今頃あわあわしてる。
いや、そんなら式に俺のこと呼ぶなよ。
「……伊野尾先輩、あげる。」
「は？」
「わぉ、やまだ、いのちゃんにプロポーズ？」
「違いますけど…俺、いらないし。
どっちかってっと1番これに執念抱いてそうな伊野尾先輩にあげたほうがいいかなーって、」
ん、と差し出すと、震えを隠せてない手で受け取る伊野尾先輩。
そっと自分の元に運んで、ブーケの造花のひとつに柔らかくキスを落として、ありがと、と微笑んだ。
…やっぱ、投げ捨てないんじゃん。
そんなこんなでブーケトスが終わって、式も終わって、これから二次会三次会になったけど、まあ毛頭行く気もなく。
「……あれ、伊野尾先輩、帰るんですか？」
「ほぁ？あ、やまだ……
だって、いる必要なくない？」
「まあ…俺もそうだしなぁ……そうだ、どっかで俺らだけで二次会しません？」
「あ、いいねそれ。
…俺んちこの近くだし、コンビニで酒とツマミ買って行こっか。」
「わぁ、お邪魔します、いただきます〜！」
「自分の分はしっかり払え。」
「…はい、」
……なんか、好感度高いかも、このひと。
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ふるは(プロフ) - やまいの。カップル本当に本当に最高です。読ませて頂きましてありがとうございました。荒んだ心がフンワカになりましたー。幸せすぎた。 (2019年2月18日 11時) (
レス) id: df18d22876 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 翠羽さん» ありがとうございます！他の作品の更新も頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします！！ (2016年12月16日 19時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
翠羽(プロフ) - 文章や台詞がすごく綺麗で、どんどん読みたくなって、3回ぐらいは読み直しました、(笑) 酢雨さんの小説が大好きなので、これからも更新楽しみにしています！ (2016年12月16日 19時) (レス) id: 69b0673946 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 桜夜兎。さん» 実は下ネタ言わせるのは好きだけど裏書くのは苦手だったりね()クリスマス頑張るわ！ (2016年12月16日 16時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜夜兎。(プロフ) - 酢雨ちゃんとしては珍しく、下 ネタもおせっせもなくてビックリしてます笑笑 純情すぎて真っ白なオーラを見にまとってそうな伊野尾さんのお話、すっごく楽しかったです。笑 クリスマス企画、頑張ってね！ (2016年12月15日 23時) (レス) id: bb6028a314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酢雨 | 作成日時：2016年11月27日 11時
