クマのぬいぐるみ ページ14
うめーうめーと牛丼に食いつく伊野尾先輩は、やっぱり精神年齢子どもかも。
米粒ひとつ残さず平らげた伊野尾先輩は、すぐに立ち上がってゲーセン行こう、と言った。
「まだ時間はいっぱいあるんだから、そんなに急がなくてもいいんじゃないですか?
…ほら、落ち着いて、座って。」
「あ……うん、」
意外そうな顔して座った先輩。
なんで?と首をかしげると、ふわりと微笑んだ。
「……日渡と、違った。
…あいつは、俺が行こって言ったら、一緒にノってくれるやつだったから。」
「…そっちのほうが、嬉しかったですか?
あ、いや、日渡先輩と比べてるわけじゃなくて……その、俺が、感じ悪かったかなって、」
「ううん。そんなことない。
…ゆったりしてていいね、こういうの。日渡と一緒にいるだけだったら、気付けなかったよ。」
首を傾けて、ね?と言う先輩。その顔に日渡先輩を思い出す影はない。
…よかった、俺でも、この人を笑わせることができるんだ。
「ゲーセン行って何すんですか?」
「うーん…クレーン?」
「取れます?」
「どーだろ。あ、でも、前に友達と来た時、すっげぇでかいクマのぬいぐるみとれた。今家にあるんだけど。」
「え、友達と行ってそれ欲しくて取ったんですか?」
「いやいや、そんなわけないって。
取れるわけないだろって100円入れたら1発でとれちゃって。みんないらないって言うから引き取ったんだよ。」
あれ、でも家にそんなのあったっけ?なかった気がする。
「……ひわたりが…ぬいぐるみとか、あんまり…すきじゃなかったから、クローゼットにしまったの…」
…ああ、俺、傷引っ掻いちゃった。
「……じゃあ、家に帰ったら、そのくま、出してあげましょう。
俺は好きですよ、ぬいぐるみ。」
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ふるは(プロフ) - やまいの。カップル本当に本当に最高です。読ませて頂きましてありがとうございました。荒んだ心がフンワカになりましたー。幸せすぎた。 (2019年2月18日 11時) (レス) id: df18d22876 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 翠羽さん» ありがとうございます!他の作品の更新も頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします!! (2016年12月16日 19時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
翠羽(プロフ) - 文章や台詞がすごく綺麗で、どんどん読みたくなって、3回ぐらいは読み直しました、(笑) 酢雨さんの小説が大好きなので、これからも更新楽しみにしています! (2016年12月16日 19時) (レス) id: 69b0673946 (このIDを非表示/違反報告)
酢雨(プロフ) - 桜夜兎。さん» 実は下ネタ言わせるのは好きだけど裏書くのは苦手だったりね()クリスマス頑張るわ! (2016年12月16日 16時) (レス) id: 6fbaab6cd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜夜兎。(プロフ) - 酢雨ちゃんとしては珍しく、下 ネタもおせっせもなくてビックリしてます笑笑 純情すぎて真っ白なオーラを見にまとってそうな伊野尾さんのお話、すっごく楽しかったです。笑 クリスマス企画、頑張ってね! (2016年12月15日 23時) (レス) id: bb6028a314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酢雨 | 作成日時:2016年11月27日 11時