��piece49 ページ4
◎美菜子
すばるが、
『行け』と言ってくれた。
まるで、
その言葉を待ってたみたいに走り出す。
横山くんのいる場所へ
告白する時の格好とか
場所とか
そんなんじゃなくて
もっともっと、大事なもの
忘れてた。
一番、大切にしなくちゃいけないもの
「横山くんっ…」
それは
『岩本さんっ…？どうしたん
そんな息切らして…』
自分の、気持ち。
「好き。」
自分の気持ちを一番大事にしなきゃいけないのは自分だった。
「ウチ、横山くんが好き。」
『え…？』
「今まで、ずっと言えなかった。
…言おうとした時に、大倉に告白されて
知らない間に、親友も傷つけてたって知って
…なんて酷いやつなんだって。
ずっと、引っかかってた。」
ずっと、周りを気にしてた。
心のどこかで、すばるの事もきっと気にしてた。
『岩本さん…』
「好き…っ」
もっと綺麗な格好で、もっと綺麗にした顔で
そんなのは、
逃げ方につける理由だったのかもしれない。
横山くんと、一緒に居たい。
「ウチじゃ、ダメですか…？」
−ギュ
『お前が好きなんは俺やないと、嫌や』
「それって、」
『…そういう、こと…。』
「ウチでいい…？」
また泣きそうになる。
『岩本さんがいい。』
想いを伝える事がこんなに緊張するものだなんて、
分かってたようで分かってなかったんだ。
「横山くんが好き」
『もう十分、伝わってるよ。』
いま、この瞬間にウチにだけ、
笑顔を見せてくれた。
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作者名：∞くらゆい∞ x他1人 | 作成日時：2017年8月27日 0時
