▽トライアングル 2▲【横倉】 (ページ1)

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⊿piece46 ページ1

◎A

「わたしは地味で、なんにも取り柄がなくって
美菜子みたいに可愛くもないし、
スタイル良くもないしっ…なのに…」

なのに、忠義くんを好きになってしまった。

今は、どうしていいのかわからない。

ヤスくんから告白されて

告白を断ることが

人を傷つけることが

こんなに苦しいなんて知らなかった。

わたしの好きな人は1人だけ

1人だけなのに…。

頑張るって決めたのに

あんなに優しいヤスくんを傷つけておきながら

どうして、いつまでも臆病なわたしのままなの？

『…Aちゃんは、そんな子じゃないよ。』

『地味で、何の取り柄もない？
たいして可愛くもない？
スタイルも良くないって？…』

『……Aちゃんは、人の気持ち分かってくれて
…その人の為に動ける。
俺、Aちゃんの笑顔に助けられてきた。

…可愛いやスタイルより大切なもの

Aちゃんは持ってるやんか。』

『だからそんな風に言わんといて』

わたし、何してるんだろ

忠義くんに

なんでまだ言えないの…。

忠義くん…忠義くんが好き。

「忠義くん、わたしね…」

す『おいお前ら何してんねんー！
はよ戻らなあかんねんぞー！！！！飯やー！』

すばちゃんが海の家から叫んで
私たちに言う。

『戻ろっか…。』

「うん。…忠義くん…
ごめんね。さっき…大きい声だして…。」

心配してくれてたのに、怒鳴っちゃった。

『えーって。』

くしゅくしゅっ。と頭を撫でてくれた
忠義くん。

わたしはその手の温もりに

唇を噛み締めた。