誰か止めて ページ29
誰か止めて
#🐺
#高校生
「A〜A〜、A〜」
後ろの席から私の名前を呼ぶ男
その名もパクジョンウ
今は数学の授業中です。
最近席替えをして私は真ん中の真ん前。
そう、地獄の席に座っております。
その後ろに座るのがこのさっきからうるさいパクジョンウ。
さっき先生がこの3問解け〜って言って今は問題を解く時間なんだけどさ、
そんなシーンとはしてないよ？
真面目学校でもないし。
皆教えあったりしてるんだけどさ、
私はまぁ自分で言うのもなんだけど、学力では中の上くらいかな。だから静かに問題を解きたいのよ。
後ろのパクジョンウは…言うまでもないね。
クラスのカーストピラミッドでは私は下のちょい上くらいで、眼鏡の地味な真面目キャラをしてる。
パクジョンウは皆からたま〜にからかわれる感じの私よりは上にいるキャラ。
「A〜A〜」
さっきから無視してるのにしぶとい。
問題に集中したいのに、名前を呼ばれたら集中できない。
先にこっちを片付けるか。
「何？」
と後ろを振り向くと満足したようにニヤッと笑う。
「用無いなら」
「あ、待ってこの問題教えて」
「あぁ〜この問題は…」
「他のもこれと同じようにやればできるよ。」
どうか、分かってくれ。
私の持ってる知識を全て伝授して、自分の問題に取りかかる。
名前をあれだけ呼ばれて、うるさいなぁとは思うけど、すごく嫌なわけではない。
人に頼られるのは好きな方。
だから嫌な素振りは見せるけど、実は心の中ではちょっとだけ喜んでる。
私が役に立てるのってこういうところしかないから。
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作者名：Water | 作成日時：2023年11月7日 23時
