素敵なひととき ページ8
『・・・ご、ごめんなさい』
私がいきなりあんな暴力のような枕投げ攻撃をしたからなのか、着替えの途中だったからなのかはわからないが、部屋に入ってきて初めて見た相澤さんの顔は何がなんだかわからない、といったようなきょとんとした顔だった。
そそくさと個性を使って(あまり良い使い方ではないと思うが、こんな時に役に立ってくれるなんてありがたい)素早く着替える。
相｢・・・いや、俺も返事を待つべきだった。悪い｣
『いっ、いえ！！私が・・・というか、お見舞い、ですか？わざわざ忙しい中・・・』
相｢・・・なんだその堅苦しいの。頭でも打ったのか？｣
辛辣な相澤さんの言葉に、いつもなら酷いですよー、と茶化すことが出来ただろう。
・・・でも、今は何故か目頭が熱くなって。
相｢・・・速水？｣
『いっ、今、見ないでください・・・』
ぐすっ、と鼻をすする音が出る。・・・それ一つで、相澤さんは何が起こったのかすぐに分かってしまうだろうに。
相｢・・・無事でよかった｣
そして、頭の上の手の感触。
思わず涙目でいることを忘れて顔を上げてしまう。
相｢・・・でも、もっと自分のことを大切にしろ｣
・・・なんでそんな優しい言葉言えるのかなぁ。
相澤さんが触れてくれている場所から、熱が伝わってきて、心の中に残っていた恐怖がやわらいでいく。
『・・・心配、かけちゃいましたね。あはは、私、相澤さん好きとして失格ですね。・・・好きな人に、心配かけるなんて』
目の前の相澤さんを見ないようにしてそう呟いた。・・・見てしまったら、また泣きそう。
ふと、頭の上で動いていた手が止まったのに気がついて顔を上げようとすると、さっきより段違いに強い力で頭を押さえつけられるように撫でられた。
相｢・・・はは、なんだそれ｣
そんな強い力に困惑しながらも、私は見てしまった。
・・・私の頭を撫でる相澤さんの手の隙間から、顔をいつもより赤くしながら優しく微笑んでいる相澤さんを。
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ユキヒメ - え、これ、終わってるの！！出来れば続きをください！！ (2021年6月20日 16時) (
レス) id: c9040eec38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - 最後の最後で泣きそう無理 (2021年4月18日 0時) (レス) id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - とても面白いです！！終わりって書いてあったんですけど続かないんですか？とても気になります (2020年10月21日 19時) (レス) id: 03a12fef19 (このIDを非表示/違反報告)
だっち(プロフ) - 小説、とても面白かったです！続きが気になるところではありますが、大変な時期なのかもしれないですよね！首を長くしてお待ちしております！とても楽しみです！頑張ってください！ (2020年8月22日 17時) (レス) id: 1cb0a66ad0 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 小説読ませて頂きました。面白かったです！！ (2020年2月12日 14時) (レス) id: d6fba61bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結月 | 作成日時：2018年5月27日 9時
