7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ26)

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Tiger105 ドキドキしてページ26

海斗のお風呂を待つ間、私は元太に拘束されているため動くに動けない。

「(あー、私も寝そう)」

ダメだ。

一回寝るとお風呂が面倒臭くなってしまう。

「元太～、ちょっとごめんね」

私は元太を起こさないようにゆっくり腕を解こうとする。

だが

松田「んーやだ」

彼にまたギュッとされてしまった。

「あれ、起きてたの？」

私は身体の向きを変え、元太の顔を確認する。

彼はまだ目を瞑っていた。

松田「起きちゃった」

「ごめんごめん。起こしちゃったね」

私は謝るようにサラサラの黒髪を優しく撫でた。

「まだ寝てていいよ」

松田「A、どっか行こうとするじゃん」

眠そうなトロンとした目で元太は口を尖らせる。

「寝たらやばいかなって思って」

松田「一緒にいて」

間近で顔を向かい合わせ、そんな可愛い声を出されたらどこかに行くわけにはいかない。

「分かった。じゃあ、このままここにいるよ」

松田「……」

「どうかした？」

一緒に寝ていると言ったのに彼の顔はどこか浮かない表情だ。

松田「わがままな男はいや？」

「え？」

松田「甘えん坊な男はいや？」

眉毛を八の字にさせ、拗ねた声で言う。

松田「松倉みたいな人がいい？」

先程の話を聞いていたのだろうか。

それにどうして今そんなことを聞くのだろう。

「別に甘えられるのは嬉しいけど、好きな異性のタイプは海斗みたいな人だよってこと」

松田「…そんなのだめ」

「ちょ」

彼は突然、私の上に馬乗りになった。

まだトロンとした色気のある目で私の顔を見下ろす。

「どうしたの？」

松田「ねえ、この状況で俺にドキドキしない？」

「びっくりはしたけど…」

松田「Aの好きなタイプは俺じゃなきゃ嫌なの。俺だけにドキドキして欲しいの」

子犬のような顔で訴えかけられ、私は胸を痛める。

松田「ねえ、お願い。Aが好きなのは俺って言って？」

かすれた声。

どこか切ない声。

元太は普段おちゃらけてるくせに歌やダンスの時など急に色っぽい表情を見せる。

「元太…」

松田「松倉じゃなくて俺にしてよ」

真っ直ぐ見据えられる。

それと同時に元太は私に唇を重ねた。

松田「2回目のキス、ドキドキした？」

照れている彼に私はドキドキしてしまう。

しかし、

松倉「…何してんの？」