7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ21)

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°Tiger100 自分の居場所ページ21

リハーサル。

JUMPおにいたんの後ろで踊っている中、私は先ほどの言葉が頭から離れなかった。

『努力もしてないだろうし』

『顔と若さだけ』

トラジャ加入当初。

同じような言葉を何度も浴びせられた。

『邪魔なんだよ！』

『しめの妹とかしめに申し訳ないって思わないの？』

『あの女、消えてくれないかな』

『あんたがいるからトラジャはデビューできないの』

そう、これは昔の話。

今は関係ない。

今は関係ないから。

「(あれ…次のフリなんだっけ？)」

スタッフ「ストップストップ！！A、何してんの！」

「あ、すみません」

スタッフ「もう一回」

スタッフさんの合図でもう一度踊り出す。

スタッフ「ストップ！！A、位置ずれてるから！集中して！」

何度も注意される私をみんなは心配そうに見ていた。

中島「大丈夫いけるよ」

中島裕翔くんはいつもと変わらぬ笑顔を向けてくれる。

「本当にごめんなさい」

スタッフ「じゃあもう一回頭から」

やっぱり私はどんなに努力したってみんなより劣っている。

女だから？

みんなには追いつかない？

あれ

なんで私

ステージに立ってるんだろ。

不意に、そんな虚無感に襲われた。

スタッフ「おい！いい加減にしろ！」

「っ！」

だめだ。

全く集中できていない。

スタッフ「A、一旦裏で頭冷やしてきて」

ステージ上で注意される私を先程の女性スタッフさんは客席で「ほら、やっぱり」と嘲笑っている。

せっかく山田くんがフォローしてくれたのに。

「…ごめんなさい」

宮近「A」

私はメンバーに合わせる顔がなく、足早にステージを降りた。

「何してんだ…」

ステージ裏の椅子に座り、顔を覆う。

どうしてもう終わったことを思い出してしまうのだろう。

自分が今なぜジャニーズに入っているのかも分からなくなってしまった。

「間違ってたのかな」

私がした選択は正しくなかったのかもしれない。

でも、ジャニーさんがあんな必死になって頼む姿は初めてみたから。

「もう疲れた」

手と膝が震え出す。

泣きたいけど泣けない。

_刹那

震える手に大きな掌が重ねられた。

顔を上げるとそこにいたのは

「海斗…」