7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ50)

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Another Story～俺の主人公～ページ50

松田side

これはまだ俺がジャニーズ事務所に入ってから間もない頃。

慣れない雑誌撮影に慣れない収録。

俺はダンスのフリでミスを連発していた。

松田「すみません！」

松倉「大丈夫大丈夫！」

最近一緒に活動することが多くなった松倉海斗は、俺を安心させようと声を掛けてくれる。

しかし

Jr.「何回目だよ(笑)」

Jr.「たるんでるんじゃん？」

もちろん、よく思っていない人もいた。

「元太、お疲れ」

松田「あ、A。来てたの？」

よく収録を見学に来るのは同じジャニーズJr.の七五三掛龍也の妹だった。

松田「恥ずかしいところ見られちゃったなぁ」

「何が？」

松田「めっちゃミスってたから…」

俺がそう言うと彼女はキョトンとする。

「別にミスしちゃっても本気が伝わってたら恥ずかしくなくない？」

松田「そうかな？」

「そうそう」

Aは満面の笑みで頷いた。

Jr.「女の子に慰めてもらって恥ずかしくねえのかよ、元太のやつ」

Jr.「A、元太にそんなに優しくしなくていいのに」

彼女の後ろではコソコソと他のJr.達が俺の悪口を言っている。

松田「…」

「……」

確かにその通りだ。

俺が慰めてもらう資格なんて＿

「きっっも！！」

突然、Aは大きな声でそんなことを口にした。

Jr.「な！本当元太きもいよなあ。女々しくて」

「いや、きもいのは貴方達ですけど」

彼女はコソコソとしていたJr.に詰め寄っていく。

「わざと悪口聞こえるように言ったり女々しいのは貴方達ですよね。きっっも！」

松田「ちょ、A？」

「ミスすることは誰にでもあります。本気で頑張ってる人に対して悪く言うのはよくないと思います」

松田「A…」

「元太からは本気が伝わってきたんです」

俺の悪口を言っていたJr.は年下に怒られて惨めになったのか何も言わずに楽屋へ戻って行った。

「行っちゃった。気にしない方がいいよ、あんな人たち」

Aはそう言って俺の髪をクシャクシャと撫でる。

彼女は俺より年下なのに、こんなにも強い。

松田「A、ありがとう」

「なんでお礼言うの？(笑)」

松田「だって」

「大切な人が悪く言われるのはむかつくんだよ」

松田「っ…」

Aは俺の

ヒーローだ。