7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ44)

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Another Story～ぷれぜんと③～ページ44

「(いや気のせいか)」

きっとオタク特有の思い込みだ。

「えっ」

いや、気のせいではない。

お兄ちゃんは私の前に立つとTJポーズをしてくれた。

「きゃああ！！」

確実に私へのファンサだ。

さすが私の自慢の兄。

キラキラしている。

「(トラジャしか勝たん…！)」

ピンク色のライトを振り続けていると今度はこちらに松松コンビが近づいてきた。

「(あ、海斗と元太気付いてくれるかな…)」

そんなことを思っているとガッツリと元太と目が合う。

そして口パクで

"すき"

と言ってくれた。

「(ファンサマシーンすぎる)」

元太に続いて海斗も私に気がついたのか、わざとらしいセクシーな顔をして投げキッスをしてくれた。

「(笑わせにきてるじゃん(笑)」

ファン「きゃあああ！！今投げキッスされたぁあ！」

私の後ろのファンの子はどうやら松倉担のようだ。

「(あ、後ろの子にやったの？)」

少しだけ残念な気持ちになっていると通り過ぎようとした海斗がこちらに戻ってくる。

そして私に指を差し、「A」と明らかに私の名前を呼んだ。

「(海斗おおお！！)」

ステージ上の海斗もすごくカッコイイ。

1日でこんなに構ってもらえるなんて。

一生分の運を使い果たした。

ファン「あ、あのもしかしてですけど七五三掛Aちゃんですか？」

曲の途中、突然隣のファンの方に小声で声をかけられる。

彼女の手には閑也の団扇。

「あ、はい。そうです」

私はペンライトを振りながらそう答える。

やばい。

バレてしまった。

一応、芸能活動休止中なんだけどな。

ファン「しめちゃん観にきたんですね！お兄ちゃん想いですね。妹なのに関係者席じゃないんですか？」

「そうなんです。どうしても自力で当てたくて(笑)」

ファン「ええ、すごいです！あ、あ！しめちゃんこっち来ますよ！！」

「しめえええ！」

結局私は最後まで閑也担の女の子とコンサートを全力で楽しんでいた。

＿

「もう本当にね、すっごく良かった」

終演後。

再び、Travis Japanの楽屋。

私は興奮が治らなかった。

吉澤「A、アリーナのめっちゃ前にいて笑ったんだけど(笑)」

やっぱりみんな嬉しいことに気づいてくれていたみたいだ。