7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ41)

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°Tiger80 トラウマページ41

いきなり手を握られ、私は若干戸惑ってしまう。

男「俺！本当にAさんの大ファンで！XXX時代から好きなんです」

こう言ってくれるファンの人は多い。

私がTravis Japanに入ってからも応援し続けてくれることは本当にありがたいことだ。

男「俺…なんていうか…本当に貴方のことが大好きで」

男の人は感極まったように突然泣き出してしまう。

「だ、大丈夫ですか？」

男「ううっ…うっ」

彼は軽い過呼吸のような状態になってしまっていた。

私は握られていた手を離し、ゆっくりと背中をさする。

「落ち着いて下さい。そんなに好きでいてくれているんですね」

男「はいっ…大好きで大好きで…アイドルのAさんに本気で恋してるんです」

泣きじゃくる彼に、私は何も言えなくなってしまった。

男「好きすぎて苦しいです…っ…好きです…好きです…好きです…好きです！」

男性は必死に大声で私に訴えかける。

そしていきなり私の両肩に手を置いた。

「ひっ…」

男「結婚して下さい！好きなんです！」

私は怖くて動けなくなってしまう。

以前、XXX時代のファンにストーカーされた時。

その時も「結婚して下さい」と強く訴えかけられた。

しかも、そのファンはナイフを持っていて＿＿

「っ」

過去の事件が一気に蘇り、血の気が引く。

男「お願いです！結婚したいんです、貴方と！」

「(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)」

身体をグラングラン揺らされる。

夜だからか、誰も通行人はいない。

「(嫌だ、嫌だ。また、刺される…！！)」

＿刹那

七五三掛「何してるんですか！！！！！」

大きな怒鳴り声。

男性の背後からはお兄ちゃんがこちらに向かって走って来ていた。

男「あっ…」

七五三掛「妹を離してください！」

男「あっ、俺…怖がらせるつもりじゃ…あ…俺…あぁぁああ」

ファンの男性は悲痛な叫び声を上げると、暗い夜道へと逃げてしまった。

七五三掛「待てよ！…ああ、もう！… A、大丈夫？」

兄は心配そうに私の顔を覗き込む。

「……」

声が出ない。

また、あの時みたいに襲われるかと思った。

七五三掛「ごめん。また、怖い思いさせたよね」

お兄ちゃんに優しく抱きしめられ、私は涙が止まらなくなってしまう。

七五三掛「俺が、守るから」