7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ37)

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°Tiger76 ピンク色の君ページ37

なんでだ。

なんで最近こんなにもキスされるんだ。

ふしだらだ。

ふしだらな女すぎるぞ、私。

私はうみから逃げ、自販機で水を買っていた。

「(私最悪だ…)」

先ほどのことを思い出す。

汗ばんだうみの身体に、色気ダダ漏れの表情。

ものすごくドキドキしてしまった。

「あー！！私はクソ女だー！」

道枝「何してはるんですか…」

ふと横を見ると引いた表情をした道枝くんが立っていた。

「(やってしまったー！)」

彼は美しい顔を歪ませている。

完全にヤバい女だと思われた。

道枝「Aさん、クソ女なんですか？」

「あ、いやぁ…」

道枝「俺はそんなことないと思いますけどね」

天使か。

顔も完璧。

フォローもしてくれる。

そりゃあ人気なわけだ。

「あ、ありがとうね？」

道枝「俺たちのコンサート観に来てくれた時、一人一人に必死で感想言ってるAさんみて素敵だなって思ってました」

彼は真っ直ぐ私の瞳を見つめている。

道枝「全力で褒めてくれるのでくすぐったかったですけど(笑)」

そう言って笑う姿は美少年そのもの。

道枝「Aさん、恭平と仲良いですよね？」

「あ、遊んだりはするよ」

道枝「俺とも遊んで欲しいです」

「私なんかで良かったら」

頷くと道枝くんは「よっし！」と年相応のはしゃぎ方をした。

道枝「それより、Aさんも体調悪いんじゃないですか？ずっと顔が赤いですし目も潤んでますよ」

これは中村海人のせいだ。

私の体調が悪いわけではない。

道枝「熱、あります？」

道枝くんは大きな掌を私の額に当てた。

顔が間近に迫る。

シンプルに顔の作りが良すぎて目の行き場がない。

道枝「あっついですけど…」

「気のせいだと思う！」

トラジャのメンバー以外に近づかれるのは慣れてなくて動揺してしまう。

道枝「無理せんといて下さいね」

「任せて！」

道枝「じゃあ、また後で」

彼は会釈をすると楽屋へと戻っていった。

全く高校生とは思えない。

「(はぁ…楽屋に戻るか)」

うみに水を飲ませて目を覚ましてもらわなくては。

ふと、先ほどのキスのことを思い出してしまう。

「(めっちゃドキドキした…)」

変な感覚。