7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ30)

今日:8 hit、昨日:48 hit、合計:501,859 hit

Tiger69 一人の女の子としてページ30

吉澤side

お化け屋敷に入り、Aはまだ何も起きていないのに無意味に叫び続けていた。

吉澤「うるさい(笑)」

笑いすぎて腹がよじれそうだ。

ダンッと音がし、彼女は悲鳴と共に飛び上がった。

吉澤「ねえ(笑)」

「本当に無理なんだけどまじで。怖すぎてキレそう。手繋ぐよね？」

答えを聞く前に、Aは当たり前のように俺の手を強く握る。

俺はカメラを回しながら、少しニヤけていた。

吉澤「(お化け屋敷、悪くない)」

「きゃああ！！」

吉澤「はっはは！！」

だめだ。

怖がりすぎな彼女を見てるとどうしても笑ってしまう。

「何で笑ってるの！！」

吉澤「あ、ごめん」

Aは俺が思っている以上に本気で怖がっているようだった。

声が震えている。

吉澤「大丈夫だから」

「くっついててね」

そんな可愛いことを言われたら、心臓がドキドキしてしまう。

吉澤「(あーあ、吊り橋効果で俺に恋してくれないかな)」

なんて馬鹿なことを考えながら暗い道を進んでいた。

「ぎゃあああああ！」

突然出てきた白い女にAは恐怖の悲鳴を上げる。

俺の胸にしっかりと抱きついていた。

吉澤「ちょ、進めないじゃん。離れて(笑)」

「やだ」

Aは駄々っ子のように俺にくっついたまま。

吉澤「こーら」

「しーくんから離れたら死ぬ」

吉澤「死なねえよ(笑)」

俺はなんとか彼女を引き離すと手はしっかり繋いでまた、歩き出した。

もうすぐ出口のようだ。

「ねえ」

吉澤「何？」

「しーくんいないと生きてけないわ」

吉澤「は？それはどういう＿」

最後の最後。

無数の手が俺らの前に立ちはだかった。

「ぎゃああ！」

彼女はまた俺に抱きついてくる。

吉澤「(ちょ……胸当たってんだって)」

俺は違う意味でドキドキしていた。

_

やっとお化け屋敷から抜けれた。

俺はカメラを閉じ、Aに声をかける。

吉澤「みんなのとこ戻ろ」

「うん。しーくん、ありがとう」

吉澤「いえいえ」

「私、しーくんのこと好きになりそうだった」

そんなことを言われ、俺はポカンと口を開ける。

「ふぅ…戻ろっか」

吉澤「俺は」

戻ろうとする彼女の腕を掴む。

吉澤「俺はお前が好きだよ。一人の女の子として」