7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ18)

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°Tiger57 協力してねページ18

「閑也の連絡先…ですか？」

なぜだ。

なぜ山根さんはそんなことを聞くんだ。

まさかシズに好意が？

「ごめんなさい。私からは教えられないです。個人情報なので」

山根「そうだよね！ごめんね無理言って！吉澤くん良いなって思ってたんだけどなぁ…」

山根さんはキュルキュルな目で私を見つめてくる。

「(うっ…そんな目で見ないでください)」

閑也、こんな綺麗な人からモテるなんてやるじゃないか。

山根「私が吉澤くんの連絡先欲しがってたことだけでも伝えてもらえないかな？」

「あ、はい！それは全然伝えます！」

山根「やった！Aちゃん大好き！協力してね！」

彼女はそれだけ言うとはしゃぎながら楽屋へ戻ってしまった。

「協力って言われましても…」

何をしたらいいんだ。

＿＿
_

「ねえ、しーくん」

ダンスレッスン後。

私は帰る支度をする閑也に声をかける。

吉澤「どうかした？」

「あのさ、山根さんって知ってる？ほら、モデルの」

吉澤「誰？」

私はスマホを取り出し、山根さんの画像を見せた。

吉澤「あー、なんかみたことあるような、ないような。この人がどうかした？」

「実はこの人が＿」

そこまで言ってなぜか私は躊躇(ためら)ってしまう。

しーくんは山根さんと連絡先を交換するのだろうか。

もしかしたら二人は仲良くなったりする…？

吉澤「ん？」

伝えたくない。

一瞬、そんなズルいことが頭をよぎる。

「(だめだめ。そんなの私性格悪すぎる)」

吉澤「おーい、A」

「あっ、ごめん。山根さんがね閑也の連絡先欲しがってたよ」

ちゃんと伝えると約束したんだから。

吉澤「え！？なんで！？」

「さ、さあ」

吉澤「へぇ～」

閑也はニコニコと笑っている。

「……」

何にやけてるんだよ。

調子に乗るな。

しーくんのバカ。

閑也の表情をみて、いろんな感情が頭を駆け巡っていた。

「交換するの？」

吉澤「どうしようかな」

迷うんだ、ふーん。

ふーーーん。

「交換すればいいじゃん？」

吉澤「… まってA、なんか怒ってる？」

「怒ってないけど」

私が怒る理由なんて全くない。

ただなんか無性に腹立たしいだけだ。