7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ50)

今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:501,731 hit

Another Story～恋心～ページ50

中学三年の冬。

人気アイドルグループXXXの二期生オーディションがあることを知り、私は受けてみようと思っていた。

現場を近くで見て、アイドルって素敵だなと思ったからだ。

「ってことなんだけど、どう思う？」

宮近「なるほど」

私は一緒に帰っている宮近海斗に相談してみる。

宮近「いいと思う。Aは顔も可愛いし、努力家だし、素質ある」

「ほんと？頑張ってみようかな」

ちゃかに激励され、私は受ける決意をした。

＿
_

あっという間にオーディションは明日。

ダンスや歌の練習。

空いた時間を見つけ、練習に励んだ。

でも…私なんか…。

不意にピコンとスマホにメッセージが届く。

"外来て"

ちゃかからだった。

私はコートを着ると、彼のいう通り外へ出る。

玄関の前には寒そうに手を合わせるちゃかちゃんが立っていた。

「え、どうしたの？」

宮近「オーディション明日だろ？」

「うん…」

宮近「はい！」

冷え切った手で何かを握らされた。

手を開くとそこにあったのは

「お守り…？」

宮近「そう！しかも手作り！(笑)」

ところどころ糸がほつれているが、忙しい中頑張って作ってくれたということがよく分かる。

「…ありがとう。嬉しいほんとに」

宮近「どうしても顏見ときたくてさ。どうせ不安がってるだろうから元気付けようと思って」

彼にはお見通しだった。

宮近「絶対大丈夫だから」

眩しいくらいの笑顔。

「(あれ…なんで今キュンって…)」

そして私は見事合格。

高校生と同時にアイドルになった。

・

アイドルになってから中々ジャニーズの収録に見に行くことが少なくなった。

ジャニーさんが呼んでくれるので時々は行く。

＿ある日。

宮近「今日TV観た！やっぱ俺の推しメン！」

「何それ(笑)」

収録現場にお邪魔していた帰り。

やっぱり彼が好きだと改めて思う。

しかし、

宮近「あ、あのさ…俺…好きな人できたかも…なんて」

いつかそんな日が来ると思ってた。

だって彼は私のものじゃない。

「そ、そうなの！？あのね、それでもね、私ね、ちゃかのことが…」

一度は気持ちを伝えようと思った。

でも、そんなことをしてしまったらもう彼の側には＿

「(好きな子、可愛いんだろうな)」

諦めたらいい。

それが一番、最善だ。