7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ27)

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七五三掛side

七五三掛「ただいま」

仕事が終わり、やっと帰宅できた。

しかし、Aからの声が返ってこない。

七五三掛「ちゃか？」

玄関にはちゃかの靴らしきものが置いてある。

遊びに来ているのだろうか。

リビングは真っ暗。

ということはAの部屋か。

七五三掛「A、いる？」

俺は妹の部屋をノックし声をかける。

「いるよ！」

扉が開き、顔を覗かせたのはパジャマをきたAだった。

お風呂に入ったばかりなのか顔が火照っている。

「ちゃかもいるよ」

宮近「しめ、お邪魔してる」

ちゃかは床に座り、俺に手を振った。

七五三掛「何しに来てたの？」

宮近「ちょっと用があって。でも、もう終わったから帰るよ」

七五三掛「え、せっかく俺帰ってきたのに？」

宮近「うん(笑)じゃあ」

ちゃかはそそくさとその場を立ち上がる。

宮近「Aも…また明日」

「うんっ…」

彼は最後にAに微笑みかけると帰っていってしまった。

「……」

七五三掛「ねえ、A。ちゃかとなんかあった？」

なんとなく、そんな気がした。

兄の勘というやつだ。

二人の空気感がいつもと違った。

「男の人ってさ」

七五三掛「うん？」

「好きでもない女の子にキスできる？」

七五三掛「もしかしてちゃかにキスされた？」

俺がそう聞くとAは静かに首を横に振った。

「ううん。ただ聞いてみただけ」

七五三掛「ほんと？」

「ほんと」

彼女のパジャマの首回りは少し緩くなっている。

片方の肩が半分露わになっていた。

髪型も少し乱れている気がする。

目もどこか潤んでる。

七五三掛「… A、それ」

俺はAの右肩を指差した。

虫刺されのように赤くなっている。

七五三掛「それ、キスマーク？」

「ち、違う！痒くて掻いただけ！」

七五三掛「違くないでしょ？」

俺は妹の腕を掴み、引き寄せた。

近くで見るとアザのようになっている。

七五三掛「舐めていい？」

「だめだよ」

七五三掛「むかつくもん」

俺が肩に舌を這わせるとAはギュッと目をつむった。

七五三掛「(感じてくれてる？)」

これ以上はだめ。

そう、自分に言い聞かせた。