返還されたもの ページ49
小さな瓶を持ったレイジが入ってきて、私達の前に立った。
アヤト「レイジ、何かあんのかよ。」
そうアヤトが問うと、レイジは静かに答える。
レイジ「あの女を…永遠に葬る薬です。」
「っ…どうやったら完成するんだよ。」
そう。レイジが持ってきたのは珍しく未完成品。
完成させなければ意味がない。
レイジ「あの女の一部が必要かと。」
スバル「…そんなの、今更ある訳ねえだろ。」
…確かに…少し難しいかも…
そう思った時、カナトが口を開く。
カナト「僕…持ってます。」
そう言うとカナトは抱えていたテディの頭と胴体を持ち、そのまま引っ張って首の部分をちぎり開けた。
そしてその中から、小さな瓶を出した。
カナト「僕にはもう、いらない物です。」
そう言って、レイジにその瓶を渡した。
レイジ「これはあの女の…」
そしてその瓶の中身をレイジが持ってきた瓶に入れて、少しばかり振った。
色のついた瓶の中の液体が透明になっていく。
レイジ「フ…」
レイジは静かに笑った。
アヤト「…出来たんだな。」
アヤトもその意味を察し、笑みを浮かべる。
アヤトはレイジからその瓶を受け取り、蓋を開け自分の口に含む。
そしてユイさんに近づき、口移しでそれを飲ませた。
ユイ「…んっ………」
アヤト「……ユイ…」
「っ…」
アヤトが…ユイさんの事…
その時。
ユイ「ん……アヤト、君…？」
！…目を覚ました…！！
アヤト「よぉ。」
ユイ「私…生きてる……どうして、ここに？」
ユイさんの問いに、アヤトが答える。
アヤト「お前は、そんな事知らなくていい。」
ユイ「…皆…」
先程までいなかったライトもいつの間にかここにいて、勢揃いでユイさんの目覚めを見届けた。
「…ユイさん！」
嬉しさに、私はユイさんに優しくだけど抱きついた。
ユイ「っ…Aちゃん…！」
ユイさんも、抱き締め返してくれた。
「よかった…本当に…ごめんなさい、あまり力に、なれなくて。」
目を伏せながら私がそう言うと、ユイさんは笑顔で返してくれる。
ユイ「ううん…あの時、私が意識を取り戻して、あの人…リヒターさんから逃げられたのは、Aちゃんのおかげだよ。本当にありがとう…！」
よかった。ユイさんに、心からの笑顔が戻った気がする。
ユイさんには、やっぱり、笑顔でいて欲しい。
薔薇の花びらが、散った。
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ユウナ(プロフ) - ワカメさん» ありがとうございます！読んで下さっているんですね！とても嬉しいです！ワカメさんの言葉を励みに、試験も更新も頑張りますね！！ (2018年10月27日 16時) (
レス) id: d3e94e6be6 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ(プロフ) - 二期楽しみにしてます！試験忙しいと思いますが頑張ってください・・・。 (2018年10月27日 15時) (レス) id: 5f29cae1fe (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 更新延期が続いてしまっているため、一週間後、出来た話はすぐ更新を致します。一日に2話更新するかもしれないので、ご理解をお願い致します。 (2018年10月15日 23時) (レス) id: d3e94e6be6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 皆様にご報告があります。先日お知らせした試験は終了したのですが、まだ他の試験がある事が分かりました。そのため、もう一週間更新を遅らせる事になりました。多大なるご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありません。 (2018年10月15日 23時) (レス) id: d3e94e6be6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 読者様には申し訳ございませんが、それまでお待ち頂けると幸いです。お知らせが遅くなり申し訳ございませんでした。 (2018年10月7日 23時) (レス) id: d3e94e6be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shuna | 作成日時：2018年7月4日 21時
