検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:22,122 hit

妖怪が目覚めた日 漆 ページ9

「わっ!これくすぐったい!」


「本物!?特撮!?それとも夢!?」



笑いながらそう言う目玉おやじを見て、もしくは触れて見てまなは更に混乱した。
自身の頬まで引っ張るありさまだ。
そんなまなを見て百架は口を開く



「いい加減、現実見なよ……」


「先輩はどうしてそんなに冷静なんですか!?」



驚く様子など微塵も感じられない百架にまなは食い気味に言い放つ



「まあ、半分といえども信じていたわけだしね」


「お嬢さん、見えている世界ばかりが全てじゃないぞ。見えない世界というものもあるんじゃ」



しれっと言う百架の言葉に続くように
目玉おやじは溜息を一つこぼしてまなに言い聞かせるように言葉を紡いだ。
まなは呆然とその言葉を聞く



「人間が木になってしまうという手紙を受け取ったがそれは本当かね?」


「これ見て」



まなは、制服のポケットからスマホを取り出す



「ん?それは何じゃ」


「えっ?スマホだけど」



まなは自分にとって見慣れているものを尋ねる目玉おやじに戸惑いがちに答える



「ほう、テレビも小型になったもんじゃな」


「テレビじゃないよ。電話も出来るし、渋谷のカメラだって見られるし」


「し、渋谷の様子をこんなちっこいもんで見ることが出来るのか!」



スマホを巧みに操作しながら訂正するまなの言葉に目玉おやじは驚きの声を上げた。



「ほお〜、便利な時代になったもんじゃ」


「とにかく見て」



まなは時代の変化にしみじみとしている目玉おやじにスマホの画面を見せる。



「こ、これは吸血木じゃ!」


「えっ、ドラキュラ?」


「そっちじゃない、樹木の方だ」



目玉おやじの言葉に今度はまなが驚いていると、鬼太郎が間に入って訂正する
そして目玉おやじは樹木であろうポーズをした。



「吸血木?」


「そんな妖怪いるんだ」



スマホの検索欄を訂正し、まなは百架に見せる
百架はスマホの画面を見ながら呟いた。



「そうじゃ。人間の血を養分として育つ木じゃ」


「何でそんなのが渋谷に……って知ってんなら渋谷に行こうよ!」



目玉おやじの説明に不思議そうにするまなだったが、
実物を見せた方が早いと思ったのか、鬼太郎の腕と百架の自転車のハンドル部分を掴み走り出した。



「ちょ、まな!?自転車引っ張んないで」



自転車を倒すまいとグリップを握りしめる手に力を込めて言葉を発する百架であったが、もはやまなにはその声など耳に届いてはいなかった。

妖怪が目覚めた日 捌→←妖怪が目覚めた日 陸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
95人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます!1話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です! (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです!続きが気になります! (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます!余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢まりも | 作成日時:2018年9月30日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。