妖怪が目覚めた日 伍 ページ7
《¨時代は変わっても変わらないもの¨があるって》
路地裏の入口を挟んだ二人の間に風が吹き抜けた。
「せ、先輩は……妖怪、信じてるんですか？」
しばしの沈黙ののち、戸惑いがちにまなは聞く
百架はうーん、と考え込みまなを真っ直ぐ見た。
「わかんない」
「え……」
あまりにもきっぱり答える百架に
まなは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする
「だって見たことないし」
だから＿＿＿＿。
言葉を続けながら百架はまなに向けていた視線を空へと変える
「見たこともないから¨いる¨なんて断言できないし
¨いない¨とも限らない。
実在してなかったらこの世に妖怪なんて言葉存在しないと思うしね」
空を仰ぎ見ながらそう言葉にする百架をまなは
ただ、じっと黙って見つめる
「ま、私は¨そういう存在¨に対しては半信半疑ってとこかな。
それに¨そういう存在¨に対して何を思おうが人それぞれだと思うよ」
まるで他人事のようにそう言って百架は空から視線を外し、街路脇に止めてあった自分の自転車に向かう
「行こ、学校に遅れるよ」
自転車に手をかけ、百架はまなに目をやる
その言葉に促され、まなは小走りで百架の隣に向かった。
空は、驚くほど澄み切った青で
満たされていた＿＿＿＿＿＿＿＿。
＿＿＿＿＿＿＿＿
「おい！あんたの弟、また裕太君をいじめたでしょ！」
「俺に関係ないよ……」
「あるわ！兄貴だろ！？」
太陽が沈み、空は青から橙へと満たされた夕暮れ時
何の因果か百架は帰り道までもまなと鉢合わせた。
そして今、まなの勧めによりこうして帰路についている
「本当、懲りないよね……」
まなに蹴りを入れられている蒼馬に冷たい視線を向けつつ溜息交じりに言った。
その刹那、
石垣の上に植えられた木々から
黄昏時の静寂を劈くような鳴き声と共にカラスが一斉に飛び立った。
その場にいた二人を含め、百架は反射的に見上げる
そして、タイミングがいいのか悪いのか、鳴き声がまばらになった時、街灯が何回か点滅し、三人を照らした。
カラン、コロン、カラン、コロン＿＿＿＿＿＿。
場の空気が不気味に一変したとき、その¨音¨は聞こえた。
＜鬼太郎が¨カランコロン¨って来てくれるんだって＞
今朝の裕太の言葉が脳裏を過る
その¨音¨は次第に大きくなっていく
まなと蒼馬はたまらず、ゆっくりと
振り返った＿＿＿＿＿＿＿＿。
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます！１話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます！余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢まりも | 作成日時：2018年9月30日 11時
