妖怪が目覚めた日 参 ページ5
「おばあちゃんが言ってたんだ！妖怪ポストに手紙を入れると来てくれるって！」
「はあ？誰が？」
蒼馬と大翔に負けじと言い返す裕太に大翔は訝し気に聞く
「鬼太郎が……」
裕太の言葉が
やけに染み入るように耳に残った＿＿＿＿＿＿＿＿。
＿＿＿＿＿＿＿＿
あれから案の定というべきか、蒼馬と大翔が裕太をバカにし、それを見かねたまなは、その「キタロウ」を呼ぶための妖怪ポストというものを探すことにし
今や誰もが持っているであろうスマホを使いネットに質問をした。
その質問は、予想外にもすぐに返り、今はその場所に向かっている
「ここみたいだね」
「きっとあれだよ」
四人を含め百架は、目的地であろう人一人分通れる程の広さを持つ路地裏を覗き込む
すると裕太は、路地裏の奥を指差した。
その方向に目を凝らして見てみると
確かに暗がりに紛れてポストらしきものが不気味な雰囲気を放って建っていた。
「あそこに手紙を入れればいいのね？」
「うん、そうすると鬼太郎が¨カランコロン¨って来てくれるんだって」
まなの問いかけに裕太は、真っすぐまなの目を見て答えた。
百架はジッとポストを見る
「¨カランコロン¨って何だよ？」
「¨カランコロン¨なんだよ！よく知らないけど……」
バカにしたように鼻で笑いながら言う蒼馬に裕太は言い返す
しかしこの兄弟
癪に障る言動をするところが似ているのか、次は大翔がバカにするようにふざけてからかった。
刹那
またしてもまなの手刀が蒼馬の生え際に直撃した。
「兄ちゃん！？」
「お姉ちゃんが出してあげる」
「いやだから何で俺が……」
何事もなかったかのように笑顔で言うまなの前には
腰を折り曲げ、痛みに悶える蒼馬の姿があった。
「¨カランコロン¨って下駄の事じゃないの」
百架はポストから目を離し、再び冷ややかな目で蒼馬を見ながらピシャリと言い放つ
そんな未だに痛みに悶えて腰を折り曲げている蒼馬の背中を机代わりにしてまなは手紙を書き始めた。
「¨きたろうさんへ、街の人が木にされて困っています。助けてください。犬山まな¨っと」
手紙を書き終えてまなは振り返る
目の前には、まだ朝だというのにそれを感じさせない暗がりが続いていた。
まなは無意識に唾を飲み込んだ。
「何してんだよ、早く行けよ」
「わ、わかってるし！」
後は手紙を入れるだけなのだが、中々足を運びださないまなに蒼馬はまだ痛むのか、生え際をさすりながらそう言葉にする
そんな蒼馬にまなは言い返すも、暗がりを見つめるだけだった。
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます！１話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます！余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢まりも | 作成日時：2018年9月30日 11時
