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妖怪が目覚めた日 壱 ページ3

「昨日の15時20分、渋谷に突如として巨大な森が出現しました」



朝日が差し込む部屋にニュースキャスターの声が響いた。
それを興味なさ気に寝ぼけ眼でボーっと見る少女


やがてテレビは専門家の討論が映し出される

化学兵器、宇宙人、有害物質による遺伝子異常


専門家が発言している言葉が耳に入り
どれもあり得なさそうだな……と根拠がないことを脳裏に浮かべながらリモコンの電源ボタンを押した。


残りのパンをお茶で流し込み、学校に行くべくリュックを背負う
履き慣れたスニーカを履き、玄関の扉を開けると
太陽の光が目に突き刺さる
それに眉を顰めて眩しいな……と思いながら鍵を閉めた。

アパートの階段を降り、自転車置き場へと向かう
自分の自転車に手をかけて、サドルに跨り
ペダルにかけた足を踏み込んだ。





ああ、本当に眩しいんだけど……。





制服と髪を靡かせる風を感じながら
彼女はそう思った________。

________

「百架せんぱーい!!」



いつもの道を自転車で進んでいると、不意に自分の名前を呼ばれ慌て気味にブレーキを握りしめる
そして声のした方へ顔を向けると、一人の少女が此方に走ってくる



「おはようございます!」


「ん、おはよう」



百架のそばで足を止め
太陽のような笑顔を見せる少女

犬山まな___。

その笑顔に返す様に百架もふわりと目を細めて柔らかな笑みを浮かべた。

二人はこうしていつも一緒に登校している
別に約束というものはしていないが、なぜか毎日のように鉢合わすのだ

当初百架は、自意識過剰に思いながらにもまなが自分に合わせてくれていると思っていた。
しかし学校に用事があり、いつもより早く登校した時にも鉢合わせ
その逆、遅れ気味になった時にもそれは起こった。

ここまで来れば、すごい偶然力としか言いようがない
しかし百架は、別に鬱陶しいとは思わずむしろ嬉しかったりする

それはまなも同じだ、百架自身にはわからないがまなが慕う理由がそこにはあるのだ

________

「ふふっ」



あれからいつものように百架は自転車から降り、まなと一緒に歩いていた。
すると不意に、まながご機嫌そうに笑う。



「どうかした?」


「いえ、ただ……」



不思議に思い百架はまなに目をやると
まなはクスリと再び笑い、顔を向ける



「先輩と毎日のように会えて嬉しいなって!」


「うん、ありがとう私もうれしいよ」



輝かんばかりの笑顔でそう言うまなの言葉に
何とも言えない気恥ずかしさを覚えながら
百架はまなの頭をポンポンッと撫でた。

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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます!1話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です! (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです!続きが気になります! (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます!余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢まりも | 作成日時:2018年9月30日 11時

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