妖怪が目覚めた日 拾伍 ページ17
「どうやらのびあがりのせいで工事はストップしてしたようじゃな」
配置された工事機材が所々に見える薄暗い工事現場の中、目玉おやじの言葉が木霊する
「のびあがりはいるの？」
「いや、いないみたいだ」
鬼太郎の後をついて行きながらそう問いかけたまなに
鬼太郎はそっけなく答える
百架は辺りを警戒しながらまなと共に歩みを進める
その時
鬼太郎の頭頂部の髪の毛がまたもやピンッと立った。
「来た」
「何？静電気？」
場の空気が一気に張り詰め、警戒の色を見せる鬼太郎
百架も先ほどよりも警戒し、神経をとがらせた。
そんな中、まなは重力に逆らって立つ鬼太郎の髪を興味深げに見入っていた。
「妖怪アンテナと言ってな。
鬼太郎が妖気を感じると立つんじゃ」
「スマホみたい」
「隠れろ」
目玉おやじの言葉を耳にし更に興味が湧いたのか
まなは鬼太郎の髪を触ろうとするも、その手を鬼太郎は掴み、それと同時に百架の手も掴んで引っ張り込む
するとまた、どこからかヒタヒタと不気味な足音が木霊した。
クレーン車の影に隠れ、様子を窺うと柱を伝って歩くのびあがりの姿が見えた。
「何か見える。あれがのびあがり？」
目を丸くして言葉を発するまなに鬼太郎はシッと人差し指を口元に当て、静かにするように促す
それにまなは慌てて自身の口を手で塞ぐ
「まなちゃん、あんたもだんだん妖怪を信じるようになった。
だから、見えるようになったんじゃ」
目玉おやじの説明にまなは戸惑いながら声を殺した。
百架は音をたてないようにしゃがんでいた体制を変える
すると手に何かがあたり、其方に視線を移すと鉄の棒が転がっていた。
おそらく工事で使う材料なのだろう
百架はそれをそっと拾い上げ、のびあがりに視線を戻した。
のびあがりは歩みを止め、瞳孔を開き、此方をジッと見つめる
その視線を感じ、百架とまなは息を潜める。
のびあがりの鳴き声らしきものが木霊し、緊張した空気が嫌と言うほどに肌を刺した。
やがてのびあがりは気のせいかと思ったのか視線を戻し柱から床へと歩みを進めた。
「リモコン下駄！」
それを見計らい、鬼太郎はクレーン車の影から飛び出し自身が履いていた下駄を放つ
隙だらけだったのびあがりは当然避けられるはずもなくその攻撃を体に受ける
「くそ！」
しかし、のびあがりは物ともせず鬼太郎に向かって無数の手を伸ばし、襲い掛かった。
鬼太郎はそれを飛び上がって避け、その先に掛かっていたロープに掴まり体を一回転して空中で再度のびあがりに攻撃を仕掛けた。
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます！１話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます！余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢まりも | 作成日時：2018年9月30日 11時
