妖怪が目覚めた日 拾参 ページ15
「わかんない」
目玉おやじの言葉に首を横に振る
つい先ほどまで¨その存在¨を信じていなかったまなにとっては理解し難かった。
「でも……」
しかしまなはそう言葉を続け何か受け入れるように目を閉じる
そして、目玉おやじから再度木へと視線を上げてまなは言い切る
「わかりたい」
その時、まなの目には月を背にして、木の枝にちょこんと座る
¨何か¨がいた。
しかしそれはすぐに姿を消し、何事もなかったかのように月だけが浮かび上がっている
目をこすって再度目をやるも、その風景は変わることはなかった。
不思議そうにするまなを見て、ふふふと目玉おやじは静かに笑う
百架は、月の光に照らされた木を見上げるばかりだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿
あれから百架は夜と言うこともあり、後ろ髪を引かれる思いで帰宅した。
そして次の日、まなの家へと向かうべくアパートの階段を降りていく
「ねえ、聞いた？池袋にも謎の巨大樹出現だって」
「一体、何なんだろうね」
アパートの敷地から住宅路へと足を踏み入れた時、ふと通りがかりの学生の会話が耳に入る
空を仰ぎ見ると夕焼け特有の赤が目に入る
午前中は授業、そして家事などの必要な用事を済ませた後だったので随分と時間を浪費してしまった。
百架は視線を戻し、急ぎ足でまなの家へと向かう
道中に見えたあの不気味な樹木の一部を目にしてから
＿＿＿＿＿＿＿＿
まだいるのだろうか、そんなことを脳裏に過らせながら、もう見えているまなの家へと近づく
そして真っ先に目に入ったのが木と化してしまった鬼太郎に
実っている今にも落ちそうな木の実だった。それもものすごく大きい、その重さで枝は今にも折れんばかりにしなっている
何あれ、他人事のようにそう思いながら百架は家の門を開ける
するとブチッと木の実が千切れ、ドサッと落ちた。
その瞬間、何やら二階でガララッと音が鳴ったので百架はそちらに視線を変える
するとベランダからまなが顔を出し、目玉おやじがベランダの手すりに乗ったのが窺えた。
「先輩！来てくれたんですか？」
此方に気付き、安堵交じりに声を上げるまなに百架は静かに首を縦に振る
そして、木の実に視線を向けると木の実は綺麗な曲線を描き割れた。
すると中から、桃から生まれた桃太郎の如く鬼太郎が現れ、
くしゃみを一つこぼす
その姿は一糸纏わぬ姿をしており、それを目にしたまなは悲鳴を上げ自身の目を手で塞ぐ
「おお鬼太郎！」
対して目玉おやじは喜びの声を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます！１話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます！余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢まりも | 作成日時：2018年9月30日 11時
