捌頁目 ページ18
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「じゃあまたね。何かあったら連絡するんだよ。こっちも分かったら連絡するから」
「うん」
「何か喋れよ」
冥が無事家のアパートの部屋に入り、その部屋に明かりが灯った事を確認すると、玄矩はくるりと反対側を向いて走り出した。暗くなれば怪異が出る。夕方から明け方までが、冥たちを襲った怪異を探せる時間帯なのだ。
問題は圧倒的に情報不足だという事。
「(がむしゃらに探すよりめいたちが襲われたあの路地裏を軸に探すのが妥当…てかそれしかねーし)」
走りながら暫くポケットを探り、中から町の地図を取り出す。生憎スマートフォンだとかいう便利なものは持ち合わせていない。あるのはガラケーだけだ。
二人と出会った路地裏は飲食店街。意外に人通りが多い地区だが、路地裏に入ると狭く暗い。例えそこで人が食われていようと道行く一般人は気が付かない。
玄矩は人混みに紛れて怪異を探し回る。しかしこのままでは埒が明かないと判断した。
ガラケーを取り出してカチカチと電話帳を一番下まで遡る。…怪異犯罪対策部。怪異の情報を提供してくれている彼らなら、怪異の特定も訳ない。はず。
「(連絡はしたし、あとは怪異が操ってる人間の行き先)」
玄矩は路地裏でパイプや窓の縁を掴み、軽々と壁を上っていった。「よっこいせ」と上り終え、建物の屋根の上にしゃがむ。バレると怒られるのだ。ただやはりもの探しは高いところがいい。「ドローンとかあればいいのにな」と片隅で考えながらも、全神経を目に集中して怪異がいないか探し回る。
あの長い黒髪の女。口の割けた怪異。目立つはずだ。
その後玄矩は対策部の情報を元に三日三晩怪異を探した。
「いやぁ〜いねぇよ…」
「
「もしかすると、とんでもない怪異なのかもしれないですね…」
探偵事務所の窓の縁に座り込み、溜め息を吐きながら頭を垂れる。雪は玄矩の顔を覗き込んだ。玄矩の目には隈が出来ている。本当に三日三晩探していたのだ。
「しかし珍しいですね、玄矩さんがそこまで真剣に仕事なんて」
「りんりんさぁん？ 俺の事何だと思ってるんですかぁ？」
「…うるさい人、と言うのが正しいかと」
「くっそ正論だ言い返せねえ」
そういつも通り吠えて見せるが眠い。ただただ眠い。
雪は「寝たら？」と困り眉を更に垂れさせるが、玄矩は首を振った。「今日中には見付かる筈だから」そう言って、ポケットからもう一度地図を引きずり出した。
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Ｒ!Ｎ(プロフ) - すんげぇ…かっこいいですね (2019年12月13日 0時) (
レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、勿論です！ 是非描かせて頂きたいです！ (2019年10月21日 0時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - わ〜ﾂﾂフォーマルな玄矩君めっちゃかっこいいです…！優先順位は低めで大丈夫なので、暇ができましたら攸のドレスコードを描いていただけないでしょうか…？よろしくお願いします！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: a16637a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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