肆頁目 ページ14
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口裂け女は都市伝説だ。完全な創作物。確か、整形に失敗した女の霊だとかなんとか、という話も聞いたことがあった。しかし実在しない。
なのにこの少女は「口裂け女」と口にした。玄矩もつい最近そう言う機会があった。何故少女が自分に声を掛けたのか、何故母親がいなくなったのか。今日は頭がよく回る。疑問に思ったことが次々と繋がった。
──つまりは、この少女は数日前祓った怪異に襲われていた子ということだ。どうりで見たことあると思った。
この少女の母は怪異の被害にまた遭っているのだ。なんらかの呪術等によって操られたか、帰ってこなくなった母親を心配し、“口裂け女”の仕業と思いあの日怪異を祓った玄矩を探していたのだろう。
理解した玄矩は、助ける義理があると判断した。“口裂け女”に襲われた後、二人を追わなかった自分にも非はある。
玄矩はしゃがんでいたのを立ち上がり、ポケットに手を入れる。
「OK、その依頼俺が引き受けた！ 幸い俺が働いてるの探偵事務所だからさ。人探しなら任せなよ。ついでに、嬢ちゃんのお母さんを襲う奴らも綺麗さっぱり消してやるさ。助けてやるって言ったからには、手は抜かねえから安心して」
すると、沈んでいた少女の顔が明るく晴れ上がった。少女は花が咲いたかのように「ありがとう！」と満面の笑みを見せる。玄矩はそれを見て顔を綻ばせると、少女についてくるよう言った。
…が、歩けば歩くほど少女との距離は離れていく。
当たり前だ。身長190cmの男と130cm前後の少女の歩幅が合うわけがない。痺れを切らした玄矩は「歩くの遅い」と言って少女を肩車すると、すたすた歩きだした。生憎この男に“歩幅を合わせる”という紳士的な思考はない。
「ここ、【楠木探偵事務所】。ここの人達が嬢ちゃんのお母さんを見付けてくれるよ」
そう言いながら玄矩は少女を肩から降ろした。少女が見上げた先には、「楠木探偵事務所」の看板。正真正銘探偵事務所であるが、もうひとつの顔──祓異師としての顔も持つのが、ここ楠木探偵事務所だ。
構わず中へ入っていく玄矩の後を、少女は慌てててちてちと追い掛けた。
「ただいま〜。…ってあれ、思ったより誰もいないね。りゅーさん、皆は？」
「仕事や。お前だけやサボってるんは──って」
「サボってないんだなこれが」
玄矩の後ろからひょっこり顔を覗かせる少女。玄矩の服をぎゅっと掴んで、これまた背の高い牙龍を恐る恐る見上げた。
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Ｒ!Ｎ(プロフ) - すんげぇ…かっこいいですね (2019年12月13日 0時) (
レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、勿論です！ 是非描かせて頂きたいです！ (2019年10月21日 0時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - わ〜ﾂﾂフォーマルな玄矩君めっちゃかっこいいです…！優先順位は低めで大丈夫なので、暇ができましたら攸のドレスコードを描いていただけないでしょうか…？よろしくお願いします！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: a16637a9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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