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元太side
「A?起きれる??」
お店も閉店間近
すっかり酔いつぶれてまったAに声をかけるけど反応は無くて
「Aちゃ〜ん?」
ツンツンとほっぺたをつついてみたけど
んんっ...って唸るだけで起き上がる気配がない
さすがに飲ませすぎちゃったなぁ、と反省しつつ
ここまで酔いつぶれるAはもう見れないかもなぁ
なんて呑気なことも考えてた
先にお会計をし
なんとかAを起こして店の外に出る
「A?お家どこ??」
俺に寄りかかってギリギリ立っている彼女に尋ねると
この場所からでも見えるマンションを指さした
『あれのねぇ〜、4階』
「え、めっちゃ近いじゃん」
Aを支えながら俺はそのマンションへ向かい
エレベーターを使って4階まで上がる
「Aの部屋どれ?」
『んぅ...415れす...』
言われた部屋の前まで行くと
ずっとレスポンスしかしていなかったAが話し出した
『415ってね、海人のたんじょーびなの...
忘れよ〜って思っても、1日に1回は思い出しちゃうんだぁ...』
「そっ、か...」
好きな人のそんな発言に
はっきりしない言葉を返すと
Aはふと俺を見上げて言うんだ
『ねぇげんたぁ...』
『また、私のこと、好きにさせて...?』
酔っているせいでトロンとした目に
少し艶っぽい声
そして、 "また" というワード
Aの全てが俺の脳を支配していた______
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作者名:きい | 作成日時:2020年4月25日 20時