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「...で、こんな時間にウチまで来たと」
『はい...』
朝ごはんをコンビニのイートインで済ませたあとは
行くあてがある訳もなく
一人暮らしのカナの家を尋ねた
こんなこと初めてだから
飲み会明け、休日の午前中にも関わらず
カナは私を家に入れ、話を聞いてくれた
『＿＿＿返事いつでもいいから。待ってる。
って...』
私が全てを話し終えると、
カナは少し顔を歪めて
「前みたいにとか、そいつアホだね。」
これだから男は...ってカナは
私の代わりに彼への怒りを口に出してくれた
「まぁ、家に入れたAもAだけどね？」
『はいその通りです...』
昨日の自分の心の弱さに落胆する
あのとき、ちゃんと断っていれば
こんなに悩むことも友達に迷惑をかけることもなかった
『海人のこと、忘れなきゃって思ってたのに...』
じゃなきゃ、相手にも迷惑だと思っていたのに
私はどうすればいいんだろう...
「別に忘れる必要はないと思うけど」
『でも...』
言葉を詰まらす私に
カナは少し呆れたように言った
「Aはさ、どうしたいの？」
そのカナの問いかけは、今の私には難しすぎた
少し前の私なら
海人の言葉にすぐ頷いていたかもしれない
だけど...
「Aの心に引っかかっているのは何？」
カナの、核心を突くような言葉
と、同時に
机に置いていたスマホのバイブ音が響いた
見るとそこにあったのは
『元太...』
「元太って...あ、昨日の？」
私が頷くと彼女はプライバシーという言葉を知らないのか
私のスマホを覗き込んだ
〈明日ヒマ？〉
〈またご飯でもどう？〉
そんな元太からのメッセージを見たカナは
なるほどねぇ、と意味深な言葉を呟くと
イタズラな目でこちらを見た
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作者名：きい
| 作成日時：2020年4月25日 20時
