君の音色(こえ)が聴こえる

その後 ページ29

私はどれくらい泣いただろう？

彼の本当の姿に気づいてあげられなかった

彼の事は知ってるって勝手に思ってた

でも、違ったんだ

そんな私を小林先輩は支えてくれた

そして、小林先輩は彼が消えて一年後

彼は私にプロポーズをした

小林先輩は20歳だった

私は19歳

もちろん、返事はおっけーした

私と小林先輩は結婚をした

子どもも産まれた

私が21歳の時だ

名前は、小林 龍二。

小林先輩に似てタレ目のとってもかわいい男の子だ

龍二が物心ついた頃、芸能事務所にスカウトされた

私たちは相談しあった結果

芸能事務所に入れた

龍二はレッスンが楽しいのか、

いつもレッスンから帰ってきたら

今日あったことを話してくれる

龍二「匠海って子がね、めっちゃかわいいの！」

匠美ちゃんかぁ…

かわいいんだろうな〜

龍二「今日ね、ユーキくんがね、ドアにぶつかったんだ」

い、痛そう…

ドジっ子なんだろうな

龍二「あとはね、芭蕉がね、たこ焼き大好きで毎日食べてるの」 

名前が芭蕉！？

親大丈夫か…？

そんなことを話してくれるのは小さい頃だけで、

大きくなったら話さないこともないけど

前みたいに目をキラキラさせて、二時間ぐらい話さなくなった

当たり前だろう

龍二: 次から超Dってゆう、新番組はじまるんだよね。で、俺それにでるから、

A: えぇ！？すごいじゃん！

龍一: 流石だな！頑張れよ

そんなことをいったのは

2013年のはじめだっただろうか？

初放送日にはテレビの前に30分前くらいにいた

龍二は一緒に出た子達と見るとスタジオへ行ってしまった

そして、番組がはじまる

『どーも！DISH//でーす！』

あ、龍二いた

大きくなったんだね…

『僕たちは、超特急です』

ん？

え…今のって…

私は、龍一の方を見る

A: あれってさ、タカシくん？

龍一: そうだよな…タカシだよな

私は涙がこぼれおちた

一方的に言われた さようなら

でも、また会えるって

本当に会えるんだ…

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