Midnight train ―Nakajima―

Station 35 ページ35

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俺の隣を歩いているA。

その表情は沈んでいるように見えた。


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けど、

俺にはその原因が分からなかった。


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イルミネーションだって、

あれだけ喜んでいたはずなのに…


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裕「今日は迎え、呼んでるの？」


あ「え…あ、まだ呼んでなくて…」


裕「じゃぁ…来るまで待つよ。

ベンチは…」


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俺はAを手招きして、

ベンチへと座らせる。


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座った後も、

なお続く「沈黙」


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何をしゃべっていいのかわからなかった。


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どうすれば、喜んでくれるのかなんて、

俺には分からない。


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白い息がお互いの口から出る。


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小さな手を合わせて、

温めているA。


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裕「あ、ちょっとここで待ってて。」


あ「え??」


裕「すぐ戻ってくるから。」


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俺は自分のジャケットを脱ぎ、

さむがっているAにかけた。


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俺はそのあと、

近くのコンビニに入り、

温かい飲み物を手に取った。


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裕「お嬢様の口に合うかわからねぇけど…」


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