Midnight train ―Nakajima―

Station 27 ページ27

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裕翔さんは、

私にコートをかけると、

すぐに背中を向ける。


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なんで…

そんなにすぐに私の前から、

いなくなってしまうの？


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私は、離れていく裕翔さんの腕を掴んだ。


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あ「もぉ…行っちゃうんですか…」


裕「え…？」


あ「なんで…？」


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裕翔さんが顔を見せてくれた瞬間、

私の頬に冷たいものが伝う。


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あー…

子どものころからの私のお友だち…


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「涙」が頬を伝っていた。


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裕「…ほら、また泣いた。」


あ「え…あ、ごめんなさ…」


裕「やっぱり、違うね…」


あ「違う？」


裕「ここ来て分かった…

Aは俺とは違う人だなー…って。

お嬢様なんだなぁって…


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俺なんかと、

かかわる人じゃないんだなー…って」


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裕翔さんはそう言って、

私の顔を見つめる。


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裕翔さんの口から

また出た「お嬢様」って言葉。


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やっぱり…

それが第一に来るんだ。


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(人3)も…

私がお嬢様だったから…


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私の前から消えたんだよね。


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気付くと私の口が勝手に動いていた。


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あ「裕翔さん…私のこと…

嫌いですか？」


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