Midnight train ―Nakajima―

Station 11 ページ11

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俺が渡したハンカチを、

ただただ見つめたまま。


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その瞬間、

その子の瞳から大きな涙が零れた。


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まただよ…

また泣いてる…


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お嬢様の類ってそうなんだろうね…

泣いてどうにかしようなんて、甘い考え。


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泣けば昨日みたいに、

俺が手を差し伸べるとか思ってない？


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女「ちょっと、Aどうしたの？」


あ「ううん…ごめん、なんでもないの。」


女「もしかして、(人3)君のこと思い出しちゃった？」


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あ「そんなことないよ、大丈夫だから…

ちょっと、お手洗い行ってくるね…」


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そんなことを言って、

俺の隣の席から外すAとかいう女の子。


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女「やっぱり…連れてくるべきじゃなかったかな…」


圭「あの子、どうかしたの？」


女「最近、彼氏と別れてへこんでるんだ…

あの様子だと、まだ引きずってるみたいだし…」


圭「失恋??」


女「そんな感じ、まぁ色々あって。」


圭「そっか―…なんか、かわいそうだね…」


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ジェントルマンな圭人は、

話を聞いて、心配そうな顔をしていた。


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裕「失恋ね―…」


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それだけ相手のこと好きだったんだろうけど…

俺には理解できない。


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きっと、

そこまで本気で恋をしたことがないから。


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圭「裕翔、どこ行くの？」


裕「帰る。これ会費。」


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