1人の姉と7つ子の俺ら ４〈フィッシャーズ〉

着こなしてる ページ32

「タクシー！」



秘書がタクシーをとめた

車椅子を降りて、シートに座る



『いっ！……ふぅ…』

「大丈夫ですか？まだ無理をされない方が…」

『今回はうちの不注意のせいだから…このくらい…大丈夫。ごめんね…せっかく楽しんでもらってたのに…』

「いえ！大丈夫です！私が向こうを出る時はまもなく始まる時間だったので」

『もう？…！運転手さん！〇〇までで1番近い道でお願いします！あと…早めに！』



時より、激痛が走るお腹を抑えながら…

早く…早く…と、着くのを待った



「こちらです！着きましたよ！」

『ありがとうございます！』



お金を払い、車椅子を出してもらって座る



『あっ……！痛っ…』

「魚嶺さん！？大丈夫ですか！」

『いっ……だ、大丈夫……』

「裏口へ行きますね」



裏口を通って、中へ



「魚嶺さん！」

「お身体は大丈夫なんですか！？」



うちを心配してくれる人がこんなにも…

こりゃ、頑張って治さないとな



『何とか…大丈夫です……』

「今、始まったばかりなんです」

『わかりました。観客席の方へ行きますね』

「私も行きます」



暗い道を通り、観客席の1番後ろへ



と…



『あっ！ザカオ…』



ザカオが出てきていた

スポットライトを浴びて…

まるで自分の服みたいに着こなしてる…

かっこいい…

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