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伝言 ページ45

『聞きたいな。言ってみて』


今までよりも、優しい声で俺に言った主


加州清光
「っ……こ、この前…主の鴉が来て……」

 
主はずっと黙ってる

他の刀剣達も

しんと静まり返っているせいか

バクバクと鼓動が耳まで届いてる

聞いたら、主はどう思うんだろう…

いや、早く伝えなかった俺のせい…

隣から安定が俺の背中に手を置く

俺は今どんな顔してるんだろう…

安定も悲しそうな辛そうな顔をしてる…

反対からは今剣が俺の手を握る

表情は泣く寸前だ

もう…言うしかない…

いや…言わなきゃ…!


加州清光
「…っ、鴉から…伝言で…じ…上弦の壱との…戦闘の末……と、時透無一郎……死亡…っ!」


堪らえていた涙が1粒、頬を伝った

信じられないというような表情

黙って聞き、目を瞑る刀剣など

一緒に紙飛行機で遊んでいた粟田口派の刀剣たちは、涙を流す

小夜左文字も顔を伏せ静かに涙を流し、宗三左文字は静かに目を閉じる

今剣は泣きながら抱きつき、岩融が優しく背中を擦る

嘘…と小声を漏らす蛍丸

反応は様々だった

顔を上げられない…


『…加州』

加州清光
「…っ……」


頭に乗る優しい手

顔を上げると、優しい眼差しで俺を見つめる主


『その伝言は凄く勇気がいるはず。ちゃんと伝えてくれて、ありがとう』

加州清光
「…ぁ、主…っ……」


涙が次から次へと頬を伝う

よしよし、と背中を擦ってくれる主

隣で泣く安定も同様に


『私の作ったふろふき大根。無一郎、見えてるかな。練習しすぎて得意料理になっちゃった…』


だんだん声が小さくなる主

唇を噛んでいるから、物凄く俺達の前では耐えているんだ


三日月宗近
「主、泣くことを躊躇う必要は無い」
 
『…ううん、大丈夫…』


食器を手早く片すと、足早に去って行く主

まだ涙でぐしゃぐしゃな顔だけど、走って追いかける


加州清光
「主っ!」


俺の声に振り返らず、立ち止まる

肩が少し震えてる

泣きたいんでしょ…?主だって…


『…か、しゅぅ……』

加州清光
「うん」


それ以上、主は何も言わなかった

俺は両腕を広げて泣いていいよって伝えると

涙を流しながら、飛び込んできた主

俺の背後に感じる気配は三日月たちだろう

それ以上、歩いてくることも話しかけてくることもなかった

解散→←ふろふき大根



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(プロフ) - その悪女が、夢主主さんの本丸に見習いに来て悪事をしそうだ (5月8日 11時) (レス) id: d5d529a22f (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - こだぬきさん» コメントありがとうございます!最後までご愛読していただきありがとうございました! (3月9日 18時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 完結お疲れ様でした、主人公さんが幸せになれて本当に良かったです…! (3月9日 8時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - 信乃さん» コメントありがとうございます! (1月1日 16時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
信乃 - お話が最後すぎて続きがくそ楽しみです!続きまってるので頑張ってください!!! (1月1日 16時) (レス) id: 5a5da0008a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミライ | 作成日時:2023年11月26日 16時

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