刀剣たちの愛が重すぎる【刀剣乱舞】【鬼滅の刃】

霞と蝶 ページ31

歌仙兼定
「主！」

膝丸
「誰だ！今すぐ出て来い！」

髭切
「主を傷つけたこと後悔させてあげるよ」


髭切と膝丸が刀を抜き、戦闘態勢をとる


歌仙兼定
「応急処置程度にしかできないけど…よし、これでいいと思う」

『…ありがとう、歌仙。ごめん、完全に油断してた……』

歌仙兼定
「気にしないで。それにしても、僕たちの主を傷つけるとは…相当痛い目にあいたいようだね」


主を守るように前に立つ

ガサガサと誰かがこちらに向かってくる音が聞こえてくる

暗闇から月明かりに照らされた姿は…


『っ…！よ、避けて！』


主が咄嗟に叫ぶ

時間遡行軍とは、違う…


膝丸
「っ！歌仙！」

髭切
「危ない！」


反応が僅かに遅れた

髭切たちの声が聞こえ、僕の前に出る主

全ての動きがスローモーションに…

ガキィン！


「なんだてめぇ…俺の前に立ちはだかるとはいい度胸だな」

『…そっちこそ、私の前にいる意味わかってるの…？』


音で我に返る

応急処置できつく縛った手ぬぐいが真っ赤に染まり、ポタポタと垂れている

傷を負った方の腕で刀を強く握ってるせいで出血が増しているんだ


歌仙兼定
「…主。ぼ、僕が…」

『歌仙、髭切たちとできるだけ安全な場所に』

歌仙兼定
「でも…」

『歌仙。大丈夫だから』


主がこう言うのは、目の前にいるのが「鬼」ということだろう


『下弦の壱に傷をつけられたってことは、私も相当鈍ったんだなぁ』(魘夢とは別の鬼)

「やっと下弦の壱になったんだ。もっと人を殺し、もっと人を喰い(ｼｬｷﾝ)……(ｺﾞﾄｯ)……は？」

『私も甘く見られたもんだねぇ』


一瞬でそいつの首が地面に落ち、ボロボロと消えていく

その最中、腕を抑え刀を落とした主に僕たちは駆け寄った


膝丸
「大丈夫か！」

歌仙兼定
「すぐに帰ろう。出血が酷い…」

髭切
「ねぇ、誰か来るよ」


髭切の視線の先に


「A！」

「Aさん！」


主を知る人らしい


髭切
「君たちは誰だい？主を傷つけた人達かな？」

「僕はAの知り合いです」

「私も『あんたは知らない…』…！」


聞けば、主が言う「無一郎」と「胡蝶」という人らしい


『私を蝶屋敷に連れてこうとしてる気…？行くわけないじゃん。傷に毒入れられるかもしれないしさ』

胡蝶しのぶ
「……」

時透無一郎
「A、これ」

『ううん、大丈夫。気持ちだけ貰っとくね』

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