薄れる記憶 ページ11
朝日が昇る…
鬼の首をあと一歩というところで逃してしまった
柱として不甲斐ない…
どこかの藤の花の家を見つけないと…
折れている肋
傷ついた翼
全身が物凄く痛い
前から人が来る…
『だ、れ……』
そこからの記憶は無い
………
「おい!しっかりしろ!」
呼んでも返事がねぇし、酷ぇ怪我だ
「なんだこれ…この翼……うっ…頭痛ぇ…」
なんで頭が痛くなる…
藤の花の家が近くにあったはずだ
…
怪我の手当を終え、布団で静かに眠ってる
見たことある気がする…
けど思い出せねぇ…
『…ん……あ、あれ…私……』
「気ィついたか」
『…!?……は、はい……』
「道端で倒れてたんだ。覚えてねぇか?」
『……何となく…』
「そうか」
てかなんでこいつ、刀持ってやがる?
「なんでお前、刀持ってんだ。見たところ日輪刀だが」
『……』
「隊服着てねぇし、お前鬼殺隊か?」
『…!』
「それに、背中のもん、なんだよ。お前人間か?」
黙ったままだ
だが、俺と目が合った時
赤く光っていた
「てめぇ…人間じゃねぇな。鬼か?」
『……鬼では無いです』
「じゃあなんだよ。っ!」
赤く光る目から流れる清らかな涙
なんだこれ…頭が痛ぇ…
『私…ここ出ます…手当ありがとうございました…』
「あっ、おい!」
なんで俺を見て泣いたんだ
その涙の意味は何だったんだ
「はぁ…」
宇髄
「お、不死川。お前居たんだな。さっきのAに見えたが」
不死川
「知らねぇ」
宇髄
「どうしたんだよ、不死川。前はあんなにもAのこと溺愛してたっていうのに。別れたか?」
不死川
「知らねぇっつってんだろォ。てか誰だよ、Aってやつは。俺の恋人は朱鳥だけだ、軽々しくほかの名前出すんじゃねぇ」
宇髄
「(朱鳥?聞いたことねぇな。てかお前、Aのこと知らねぇのか?お前のせいで鬼殺隊を離れてまで鬼を斬り続けてるってのに…)わかった。だが不死川、俺の知ってるお前は簡単に女を切り捨てる男じゃねぇ。覚えとけよ?」
簡単に女を捨てるような男…
俺が?
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミライ | 作成日時:2022年8月30日 1時