遊郭の女性と風柱【鬼滅の刃】【不死川実弥】

涙 ページ32

不死川
「胡蝶ォ！胡蝶はどこだァ！」

アオイ
「お静かになさってください！」

胡蝶
「あら、不死川さん。！？Aさんですか！？」

不死川
「今すぐに治療を頼む…お願いだァ…」



胡蝶にAを預け、俺は廊下で待つ

暫くして部屋から胡蝶が出てきた



胡蝶
「なんとか傷は塞ぎました。不死川さん…何があったんですか？」

不死川
「わっかんねぇよォ…」



俺は胡蝶に背中を見せ、その場をあとにした

守りたいものはどうすれば守れる？

突き放せばいい？

傍に置いとくのがいい？

もう、わからなくなった…



……



深夜、蝶屋敷を訪ねた

遅いであろうに、胡蝶は俺が来るだろうと思っていたらしい



胡蝶
「不死川さん。Aさんの容態は安定してます。回復しますよ」

不死川
「……」

胡蝶
「何があったんですか？」

不死川
「町に行った時だ……Aはもち米を買うと言って米屋の方へ。俺ァ、簪を見てたんだ…そしたら叫び声とか物音がして…慌てて駆けつけたら……Aは…っ…」

胡蝶
「そうなんですね…」



あの時…血溜まりの中でAは倒れていた

片腕が無くなった状態で…

怖かった…



不死川
「まだ目覚めてねぇのかァ…」

胡蝶
「中に椅子ありますよ」



……



Aは、俺と出会わなければ…

こんな怪我をすることは無かったのだろうか…

遊郭でたくさんの人達に囲まれて…

俺が一目惚れなんかしなきゃ…

こんなことにならなかった…



不死川
「ごめんなァ…A……」



頬に触れる



不死川
「！？」



俺の手をそっと握ってくる…A



不死川
「A！起きたかァ！？」

『実弥、様……』

不死川
「大丈夫かァ！？傷は…痛むかァ？他に痛いところはねぇかァ？」

『実弥様……私は…大丈夫です……実弥様は…お怪我…ありません、か……』



こんな時でも俺の事を…



不死川
「俺のことはいい……鬼は斬った…ごめん…助けられなくて……痛かったろォ…？苦しかったろォ…？」

『大丈夫です……いっ…』



肩あたりから巻かれてる包帯に血が滲んでる



不死川
「……」

『…もう……舞う事が…できません……申し訳ありません…実弥様……お見せしようと、練習してきたのに…』



ガバッ…



『さ、実弥様？』

不死川
「ごめんじゃ済まされねぇのはわかってる……けど、謝ることしか出来ねェ…」



俺の頬を涙が伝い…Aの肩を濡らした

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