僕の姉さんは…【時透無一郎】

霞柱 ページ45

傷の止血に集中する

かなり深い…



不死川
「ぐっ！こいつ…考えらんねぇ程の馬鹿力だぜェ…」

宇髄
「おまけに…！血鬼術が派手だな！おっと！当たったらひとたまりもねぇな！」

伊黒
「俺達も加勢する」

甘露寺
「Aちゃん！しっかりして！」



皆、姉さんのために…



『あ"あぁぁぁっ！』



突如、叫び声を上げた姉さん

苦しそうに日輪刀を片手に持ちながら頭を抑えてる



『……た、す……け………て……………』

無一郎
「姉さん！！」



はっきり聞こえた



『血鬼術……神桜の刃』



姉さん1人に柱4人がかりで…



悲鳴嶼
「時透。傷は？」

無一郎
「大丈夫です…なんとか。僕…やります」

煉獄
「だが、無理をしてはならない！」

無一郎
「僕がやらなきゃいけないんです…姉さんを鬼のような苦しみから解放するために…」



それは姉に刃を向けること

そして、斬ること…

僕が1番やりたくない…けど、やらなきゃだめだ



……



伊黒
「迂闊に近づけないな…」

甘露寺
「届かないわ…Aちゃん！」

無一郎
「皆さん、ありがとうございます。あとは僕が……殺ります」



今の僕は、

姉さん弟じゃない

霞柱、時透無一郎だ



無一郎
「姉さん。今、解放してあげるからね……」



今までと比べ物にならない程の技の威力

鬼舞辻無惨の血を多く入れられたのか…



『血鬼術、月桜の鎖』

無一郎
「！？」



しまった！

足に鎖が巻き付き、じわじわとくい込んでくる

目の前に迫ってくる姉さん

僕は姉さんを守れなかった…

苦しかったよね…

怖かったよね…



無一郎
「ごめんね…姉さん……」



柱の皆さんが僕を呼ぶ

僕は目を閉じた



……



あれ…

恐る恐る目を開けると



無一郎
「！」



首に、あと少しで届きそうなところに日輪刀が…

それを持つ姉さんの手は震えていた

血鬼術が解かれる

今だ



ザシュッ…

ゴトッ…



月が僕らを照らし

姉さんの涙が光った

簪と羽織物→←現実

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す