僕の姉さんは…【時透無一郎】

西洋音楽 ページ17

無一郎
「姉さん。型はいくつあるの？」

『10はあるね』



名前がまだ無いんだ

どうしようか悩んでると



無一郎
「姉さんさ、よく歌ってたんだ」

『歌？』

無一郎
「音楽が好きって。あっ…それも…」

『ごめんね…もう全部忘れちゃったの……だから、無一郎が教えてくれると嬉しいな』



……



音楽…



無一郎
「姉さんはね、貧しくても…頑張って稼いだお金で、僕にご飯を作ってくれて。それからね、お金をずっと貯めてた」

『貯めてた？』

無一郎
「音楽の本を買うって言ってたんだよ。町で見かけた本。とても高かったみたいで。姉さん、着物を売ってまでお金を貯めてたんだよ？」

『そうなの？知らなかった…それで、私は買うことは出来たの？』

無一郎
「買えたんだよ！それを毎日読んでて、僕にも見せてくれたんだ」

『そうなのね』



西洋の言葉が頭に浮かんでくる

何の本かわからないけど…

見たことあるような景色が目を閉じると浮かんでくる

それを…型の名前に出来ないかな……？

無一郎に紙と書くものを持ってきてもらうように言った

漢字表記されてた言葉だけど、カタカナで書かれてたような…

桜だから…組み合わせてもいいかも



ワルツ…

ノクターン…

ファンタジア…

レクイエム…

色んな言葉が浮かんでくる

うん、悪くない



無一郎
「姉さん、なんて書いてるの？ん？ワルツ？」

『音楽の中にある言葉。かなり気に入っちゃった』





大正にあるかわかりませんが！
あと、作者が音楽が好きなこともあり…
私情を混ぜてしまいすみません！！

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