預かり物 ページ1
深い
暗い、昏い
まるで私の未来みたい
なんて、自意識過剰だろうか
本の読みすぎだろうか
なんて、本の主人公みたいな事を思ってみる
だからって何かが変わるわけでも無いけれど
「未来は心の持ちようで変わる」
ふと、頭によぎった
確か、何かの本でみた言葉だ
確か、心の病の治し方とか、そんなところ
本なんかで治るんなら、今頃医者なんていない
まァ、こんな思考してる時点で
明るい未来は望めないのだけれども
相変わらず笑えてくる。
周りの人間には恵まれてるはずなのに
生憎私みたいなやつに、神様は微笑まないのだ
神様はいる。だけど私を愛さなかった
理由は気まぐれだったから
バサッ
布団から起き上がる
眠れない、
そう、眠れなかっただけ、それだけ。
神なんて、この世に居ない。
大丈夫、わかってる。
神なんて信じていたら奪われる弱者にしかなれない
神になんて頼るな
強くなれ
強くならなきゃまた奪われる
袋から睡眠薬と睡眠導入剤を1粒ずつとりだす
それを水と一緒に流し込む
少し喉に引っかかって気持ち悪かったけど
水をもう一度飲むと流れて言った
飲むと安心感と遅れて後悔が押し寄せてくる
あァ、また薬に頼ってしまった
でも、だけど、きっとこれで眠れる
こんな馬鹿みたいな思考とおさらばできる。
大丈夫、大丈夫
今日の私は天に行く
そして明日の私が生まれる
だから大丈夫、
こんな思考の私は消える
大丈夫、大丈夫
……………
別に人は能力が全てじゃない
悪魔の実の能力で生死が決まるなんて
あまりにも不運だった
だから、少しだけ助けてやった
たくされたから
あの子はかわいそうな子なのだ
家族も恩人も離れていってしまった
可哀想な子
でも、それでも立ち上がった可哀想な弱い子
大丈夫、あの人達のようには、あの人のようには
私がさせない
あの子は私が守るから。
預かり物は必ず届ける。
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作者名：シシィ | 作成日時：2020年10月18日 2時
