32.帰路 ページ32
いつもは遠く感じる
夜の帰路も
何故か今日は短く思えた。
自分の家が見えたけど
まだ帰りたくなくて、寂しくて。
「もう帰るん？」
「帰りたくないけど…」
「いつでもウチに来てええんやで」
「でも亮くん、いつも遅くまで飲み歩いてるじゃん」
「好きなひとが家におったらすぐ帰るよ」
「えっと、…？」
私の聞き間違い？
勘違いだったら恥ずかしくて
聞き返すことも出来ない
それからは沈黙が続いて
頬を撫でる冬の空気が
更に冷たく感じる。
家の前に着いて
足を止める。
「なあ、」
冷えた手を掴まれて
不意だったから、
どきりと心臓の鼓動が大きくなった
「ほんまに帰るん？」
「え、？」
「俺は、帰って欲しくない」
「でも、親が厳しいから…」
「そっか、またな」
案外するりと手を離されて
心にポッカリ穴が空いた気がした
家に帰って
お風呂に浸かっている時も
ベッドに入ってからも
暗がりの中で見えた
亮くんの表情や言葉が忘れられなくて
ラインを送った。
『おやすみ』
『遅くまで付き合わせてごめんな』
『大丈夫だよ、気をつけて帰ってね』
ラインしたら更に
会いたくて寂しくなった
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なの(プロフ) - とても好きなお話です。2のパスワードはどこで知ることができますでしょうか？更新楽しみにしております＾＾ (2018年11月27日 22時) (
レス) id: 9ea4677c9f (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - 曖昧で切ない関係性がリアルで本当にどこかにいそうな2人だなと思いました。更新停止中ですが続きがあれば楽しみにしてます！ (2018年10月21日 18時) (レス) id: dd45f2a15b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：代 | 作成日時：2018年3月14日 19時
