私の居場所は忍術学園

不甲斐ない自分 ページ23

土井先生サイド
ーーーーーーーー


彼女を見て、変わりない姿に安堵した
Aは何か考えているかのように、私を見据えてくる

もしかして何か思い出したのかと期待した
しかし、その自分勝手な願いは絶対叶わない

学園長先生からAの扱い方について、
彼女には過去のことを教えないようにしろときつく言われた

彼女はもう天女様だから、記憶はない
私を思い出してくれるはずがない、あの一年生でさえも覚えていなかったらしいのだ

気持ちを整えて
私は軽く自己紹介しなければと、言の葉を並べる


土井「そうだったな、、私は土井半助という
土井先生と呼んでくれA。」

土井先生、昔彼女がよく読んでくれていたなと嬉しく思う反面、私の心が締め付けられる

土井「(もう、彼女は何もかも思い出せないんだ)」

今にも泣きたかった、でももっと辛いのは彼女である
そのため必死に堪えた

すると彼女も続いて自己紹介をする

『初めまして、土井先生
知っている通りAと言います。宜しくお願いします』



土井「初めましてか、、、
いや、何でもない。こちらこそよろしく頼む」


少し間をあけてしまった
動揺しているのが目に見えているのか、彼女はじっと見てくる


彼女のひとつひとつの言葉が心が騒めかせるほど、
私にとって彼女が大切だった
前向きなAが、本当に好きだった


出来ることならあの大事件が起きる前に戻りたい
ーーーーーー
Aサイド


今は私ひとり、土井先生は説明を終えると
仕事があるというのでこの場を去ってしまった


主に委員会のことで何をしているかとか
それからテンニョが来てからの事とか
私の仕事内容についてお話しをした


、

、



特にテンニョについて話している土井先生は
苦しそうで、辛そうだった


自分まで心苦しいのは何故だろう
私は落ち着かせるため自分の手を握りしめた


ーーーーー
土井先生サイド


私は説明が終わり、自分の部屋に戻ろうと足速に歩いている

、
嗚呼、自分が情けない


面と向かって話していた時、何度も罪悪感に苛まれた
彼女から自分を拒絶されるのが怖かった
嫌われるのが恐ろしくてたまらなかった


私は自室に戻り、静かに座る


土井「また、あの関係に戻るにはどうすればいいんだろうか」



自分はなんて不甲斐ないのだろうか

ーーーーーーーーー

心構えて→←頑張り屋な君

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す