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「風邪ですね」
３８度と表示された温度計を見て目良さんが言った。
遂にやってしまった。気をつけてはいたが、季節の変わり目というものに俺の身体は見事に敗北した。
つい昨日まで訓練をしていたからか、いつもよりも怠く気持ちが悪い。薬を貰ったがまるで効かない。疲れでも溜まっているのか。
『すいません、訓練休む事になっちゃって…』
「仕方ない事ですから気にしないで今日はゆっくり休んでください」
くれぐれも勉強はしないこと、と釘を刺されたのでベットで寝ることを心に決めた。
額に当てられたタオルは生温かく煩わしいだけなので取る。布団を首元まで被って目を瞑った。
「個性使うようになったんだね、A兄」
後ろから声がした。
知らぬ間に燈矢くんと俺がいた。そして、ここが夢だと理解する。
炎のような赤ではなく真っ白な髪に、口角だけを上げて微笑んでいる。紛れもなく燈矢くんのはずなのに、何故か俺は別人のように思えた。
『ヒーローになるためだから』
「A兄もアイツみたいになるの？」
言葉に詰まった。俺の描く理想のヒーロー像は父ではなく、オールマイトがピッタリと当てはまる。
エンデヴァーであり、父であり、人間。液晶越しでは分からないようなことを俺は知っているから、俺の理想にエンデヴァーというパズルは当てはまらない。
『俺はエンデヴァーにはなれない、なりたくない』
そう願っているけれど、父の血を継いでいる俺はきっといつか似てきてしまう。
嫌悪に近しい感情に背筋がひやりとする。
燈矢くんはそっか、と微笑み背を向けて歩いていった。
俺は何もせず、ただ、その背中を見つめた。
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霜凪(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！！今日か明日に更新します👊 (5月6日 17時) (
レス) id: f1844d219c (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - めちゃくちゃ好きです〜(泣)！公安配属系、探してたんです...🥺続き楽しみにしてます！ (5月6日 17時) (レス) id: 3f3d41db07 (このIDを非表示/違反報告)
霜凪(プロフ) - ほいっぷさん» ありがとう！！！ (10月28日 11時) (レス) id: f1844d219c (このIDを非表示/違反報告)
ほいっぷ - 大好き！！！！！！ﾌｧｱｱｱ(初コメですすみません) (10月28日 11時) (レス) @page43 id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
霜凪(プロフ) - mkandmikanさん» ありがとうございます！！ (10月28日 10時) (レス) id: f1844d219c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜凪 | 作成日時：2022年9月17日 21時
