愛され屋

39、リベンジ(side-K) ページ46

　
　
　
K「なぁ、あそこ行かね？」



F「どこ？」



K「一緒にサウナ。」



F「誕生日にサウナぁ？」



K「イイじゃん、リベンジだよ。」



サウナの後は、藤ヶ谷のオフィスのソファーの上。



そっちでリベンジしたいのは俺だ。



前回は何も出来なかった。



あの日、俺から告ったような気がしないでもないが、夢の中だったかな。



藤ヶ谷に包まれる感覚は、夢のようだった。



藤ヶ谷の手が優しかったのは、覚えてる。



どっちにしろ意識レベルは通常より低かった。



しかし、酔いと熱を言い訳に、ちょっと仕掛けにいったかも。



計算と衝動と無意識がゴチャ混ぜだった。



朦朧としながらも、藤ヶ谷を墜としたくて堪らなかった。



でも、そういう状況になったのは藤ヶ谷のせい。



展望風呂で風邪が悪化したのも藤ヶ谷のせいだし、藤ヶ谷の愛され理論に沿えば悪天候も風邪も利用価値はあって、あの日が絶好のタイミングだったって事。



藤ヶ谷の誕生日の今夜、絶対キメてやる！

　
　
　
　








エレベーターを上がり、藤ヶ谷がオフィスの扉を鍵で開けた。



俺の鍵は最初っからかかっちゃいない。



藤ヶ谷の鍵は俺が開ける。



ベタだけど、ソファーに乗って、誕生日プレゼントは俺自身だと言おう。



思い切り食い尽くされたい。



俺は藤ヶ谷に愛される「愛され屋」なんだ。



俺達は、ここから始まる。



今日が初回レッスン日だよ。



俺が藤ヶ谷に愛を教える。



勿論、無料です。
　
　
　
　






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梅雨も明けて夏真っ盛りだった。



藤ヶ谷の誕生日以降、俺は何度ここへ来ただろうか。



F「毎回警備さんに挨拶してビルの裏口通るの、イヤなんだよね。

北山さんが風邪の時は、介抱するって名目があったから良かったけど。

何度も深夜に北山さん連れてさ、オフィスにこもるってオカシク思われない？」



K「さあ……俺関係無えし。」



赤の他人のガードマンの心証なんか、どーでもイイ。



どう思われようと、知ったこっちゃない。



俺はここで藤ヶ谷に抱かれるのが、単純に好きだった。



別にホテル代をケチってるわけじゃないし、展望風呂から覗かれながらシタイとか、ヤベエ露出趣味も全く無い。







※トップページで裏は無しと申し上げましたが、以降FKの微裏が入ってきます。

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