30、裏口を開く鍵(side-F) ページ36
深夜でビルのフロントは閉まっているが、裏口の扉の鍵は持っている。
父の持ちビルで、本当に良かったと思う。
F「警備さん警備さん、お願い!」
警備室のドアを叩こうとする前に、夜警のガードマンが何事かと顔を出した。
「深夜に誰か入ってきたと思ったら、太輔さん!
どうしたんですか?!
海から上がってきたみたいにビッチャビチャですよ。」
F「友人がこの先のバーで体調おかしくなっちゃった。
ここが一番近いから連れてきた。
上まで連れてって介抱しなきゃ。
救急箱あったよね?」
「ハイハイ、お待ち下さい。」
俺は左手に救急箱を抱えて、右手で北山さんを支えながらエレベーターに乗った。
北山さんの体重が腕にズッシリかかっている。
F「お、重い……」
いつもよりエレベーターが長く感じる。
F「ちょっと待ってて。
一旦俺の背中に寄りかかって。
オフィスの鍵開けるから。」
K「あい……」
背中にべったりくっ付いてきたから、北山さんが震えていて発熱しているのを身体ごと感じた。
F「今、何とかしてあげるからね。」
とは言ったものの、すぐに北山さんが劇的に回復するとも思えなかった。
F「まずは……」
まずはどうする?
裏に冷蔵庫と簡易のキッチンはある。
お湯を沸かし、棚からタオルを出して、薬箱の解熱剤を探った。
31、変なオジサン(side-F)→←29、RPG(side-F)
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kyumapi(プロフ) - くらげさん» 温かいコメありがとうございます。トップページに書きました通り筆が滞ってしまい、御心配おかけしました。書ける書けないにかかわらず、妄想する事自体はやはり楽しいですし生きる力になりますね。これからも担降りは出来ないだろうなと、改めて感じています。 (2022年7月10日 23時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 最近更新がなかったので別のところへ行かれてしまったのかもと淋しく思っていたので凄く嬉しかったですしkyumapiさんのお話はいつも私なんかでは想像出来ない展開なので、おおお!と思いながら楽しく読ませて頂きました。無理なくまたお話読ませて頂ければ嬉しいです。 (2022年7月9日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - seaぺこさん» コメありがとうございます!また労いの御言葉に感謝致します。オデコのキラキラに共に萌える同志がいて下さって、嬉しいです。自分のキモい萌えを二人のヘキに反映させてしまいました。浴衣に薔薇…だいぶ艶かしい画像だったような記憶が…私も探してみます。 (2022年7月9日 19時) (レス) @page50 id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、コメント失礼します。毎日更新、本当にありがとうございました&お疲れさまでした。うんうん、わかります〜おでこにキラキラ可愛くてソコばかり見てしまって 笑 …昔のドル誌で≪浴衣に薔薇≫があって、それを思いだしまた見たくなりました。探そ〜♪ (2022年7月9日 10時) (レス) @page50 id: 490b4b0fa3 (このIDを非表示/違反報告)
kyumapi(プロフ) - ももすけぴぃさん» ありがとうございます。急に切ない感じになる北山さんには、こちらも切なくなります(←16で藤ヶ谷さんが述べた通り)。勿論まだまだこの後も続きますよ! 最後まで読んでみて下さいね。 (2022年6月29日 21時) (レス) id: 52d20d0833 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kyumapi | 作成日時:2022年6月22日 19時