ジェラスなハニーにTOUCH＆GO！

28、Bad Luckな理由 ページ32

　
　
　
俺も着陸に備えないと。


そして、万が一のための
イメージをしておく。


例え緊急時ではなくても、
最悪の場合を必ず想定する。


心構えをする事で、パニックを防ぐ。


素早く対応するためには、
対応の手順のイメトレが必要だ。


俺達は乗客命を預かって乗務している。


着陸体制に入ると同時に、
脳にスイッチが入った。
　
　
　
　








風に煽られながらも、
今度は無事に着陸した。


接地しブレーキがかかった瞬間、
乗客達が緊張を解くのが感じられた。


そして、キャビンが拍手で包まれた。


着陸前に一度キムラさんが、
短くキャプテンアナウンスを入れたが、
ダイバートによる遅延のお詫びと
揺れている事への不安を慮った内容で、
復路便で定番の
「さようなら、Good Luck！」は
言わなかった。


ソリャそうだ、
天候不良でゴー・アラウンドになった
時点で、乗客にはBad Luckでしかない。


勿論、温泉旅行の計画をしていた
キムラさんもナカイさんも、
フジガヤもBad Luckだ。


ま、俺は関係無いけどー
　
　
　
　








K「お疲れ様でした。

イレギュラーに良く対応をしてくれて
感謝します。

重大クレームもありませんでした。

飛行時間と勤務時間の延長を受けて
休日が一日分、
可及的速やかに追加されます。

直近のスタンバイ業務が
休日に変更されますので、
スケジュールを確認して下さい。

では、これでデブリーフィングを
終わります。

解散！」


全「お疲れ様でございました！」


客乗課への報告を終え、
ロッカールームで着替えて、
オペレーションセンターの
ロビーに降りる。

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