ジェラスなハニーにTOUCH＆GO！

11、ズルい理由 ページ15

　
　
　
K「あ……？
俺と遅くまでイチャイチャすんなって
意味？」


キムラさんには全て見透かされてる
みたいで、また顔がポッと熱くなった。


常夏のシンガポールの風は、
全く頬の熱を拭い去ってはくれない。


フジガヤも、
「お前ホントに可愛いヤツだな。」
って、俺の頭ポンポンしてくれても
イイんだぜ？


二人きりになったし。


フジガヤはもう歩き出していた。


おーい、そういうトコだぞ。


俺が欲しいと思う言葉はくれなくて、
キムラさんに対してデレて
ニコニコしてた直後に、
手のひら返しで
俺には愛想が無いところだ。


ズンズン先を歩いている。


K「どこ行くの？」


F「久々に、アレ乗りたいな。」


フジガヤが指差した先には、
シンガポールフライヤーがあった。


マリーナエリアの観覧車だ。


指差したまま俺の方に振り返る。


もう！


無愛想かと思ったら、
そんな子供みたいな笑顔で……


ズルいぞ、可愛いのはお前だ！


……って、簡単に今夜も
フジガヤに堕とされた気がして、
己のチョロさを痛感する。


K「おう！ 乗ろう乗ろう！」


思わず駆け寄って腕を絡めた。


F「ちょっとぉ〜ダメだって。

外でそんなにくっ付かないでよ。

どこで誰が見てるかわかんないよ。」


K「あ、ゴメン……」


それは、ホテルの部屋に帰ったら
好きなだけくっ付いて良いよって
フリかな。


ポジティブポジティブ。

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